1999 Fiscal Year Annual Research Report
DNA多型遺伝子に基づく日本人の地域性と遺伝子頻度の地理的勾配関する研究
Project/Area Number |
11112210
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
湯浅 勲 鳥取大学, 医学部, 講師 (00093633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅津 和夫 山形大学, 医学部, 助教授 (10091828)
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Keywords | 血清タンパク遺伝子 / 遺伝子頻度 / 集団遺伝学 / 塩基配列 / 地理的勾配 / Y染色体 / ハプロタイプ |
Research Abstract |
本年度はさらにMg(CとG)、DXYS5Y(Y1とY2)、DYS257(GとA)、Tat(TとC)、RPS4Y(CとT)、SRY-2627(CとT)などの多型を検討した。SRY465のT型はM9のG型、DYS257のG型、TatのC型、RPS4YのC型、SRY-2627のC型とハプロタイプを形成しており、さらにSRY465のT型はDXYS5Yで二つの型に分類された。これらの多型のうち、高い多型性を示したYAP、M9、SRY465およびDXYS5Yの4座について分析すると、haplotype B1:-/C/C/Y1、B2:+/C/C/Y1、B3:-/G/C/Y1、B4:-/G/T/Y1、B5:-/G/T/Y2の5種のハプロタイプに分類された。上述の集団に、韓国人(ソウル)、中国人(?田、恵州)、モンゴル人の4集団を加えて計約1500名の男性についてこれらの多型を分析した。鳥取県の日本人男性ではこれらのハプロタイプの頻度が、0.214、0.256、0.274、0.068、0.188であった。他の日本人集団もほぼ同様な分布を示した。しかし、新潟と沖縄ではB2の頻度がやや高く、また沖縄ではB4とB5の頻度が逆転していた。韓国人2集団は互いに極めて類似した頻度を示し、B2型は少なく、そのぶん、B3型が多く出現した。SRY T型も日本人と同様の頻度で観察されたが、B4型とB5型にくらべて高い頻度で検出され、分布が日本人と異なっていた。中国人では圧倒的にB3型が高く、B1、B4、B5型はまれであった。とくに、?田ではすべてがこのハプロタイプを示した。モンゴル人ではB1型が60%以上出現し、残りはほぼB3型であった。このように、今回分析した多型は集団により特徴的な分布を示したが、日本人がもっともヘテロ接合度が高かった。5種のハプロタイプの頻度から遺伝距離DsとDaを求め、UPGMA法で系統樹を描いたところ、各集団がそれぞれのクラスターを形成した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 渡辺剛太郎: "Hetertduplex analysisによるSTR多型解析"DNA多型. 7. 124-128 (1999)
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[Publications] 三好 綾: "西日本と韓国におけるADH2およびALDH2の遺伝的多型について"DNA多型. 7. 158-160 (1999)
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[Publications] 梅津 和夫: "凝固因子FXIIIBのSTR多型と蛋白多型との関連について"DNA多型. 7. 241-243 (1999)
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[Publications] Nakagawa M: "A new single-nucleotide polymorphism in the seventh component of complement (CF) gene"Journal of Human Genetics. 44. 272-273 (1999)
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[Publications] Watanabe G.: "Improved haplotype analysis of human nuyelin basic protein(MBP) STR loci"Human Biology. (印刷中). (2000)
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[Publications] Naito E.: "A novel dimorphism in the human SRY gene :usefulness in human migration study"International Journal of Legal Medicine. (印刷中). (2000)