1999 Fiscal Year Annual Research Report
部材の劣化挙動および破断を考慮した建築骨組の耐震設計法および耐震補強法
Project/Area Number |
11115219
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上谷 宏二 京都大学, 工学研究科, 教授 (40026349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 浩 京都大学, 工学研究科, 助手 (70283629)
小坂 郁夫 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (40127163)
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Keywords | 破断 / 鋼構造 / 耐震設計 / 亀裂 / 釣合経路 / 安定性判定 / 平面骨組 / 数値解析 |
Research Abstract |
1995年の兵庫県南部地震による鋼構造骨組の被害では,梁端部の破断が多数見られた。これらの現象を詳細に解明し,得られた知見を耐震設計法に導入するため,以下に示す研究を行った。 亀裂の発生は部材破断の直接の原因となる。亀裂が発生した後の骨組挙動には、亀裂近辺の状況だけでなく構造物全体の形状や載荷条件などが影響を及ぼす。亀裂進展の影響を集約させた回転バネモデルを骨組に導入し,亀裂が生じた骨組の挙動解析法および亀裂進展の安定性の判別法を構築した。これは、部材亀裂の発生や進展を考慮した耐震設計法を確立するための有用な道具となる。また,2次元問題の脆性梁に対する亀裂進展の数値解析法を新たに提案するとともに,骨組解析に適用可能な亀裂バネモデルを作成した.さらに,鋼構造骨組の部材亀裂の解析を精度良く行うための数値解析プログラムの開発と亀裂進展をも考慮に入れた構造設計法の考え方を構築するため,脆性的破断が生じると思われる骨組全体の剛性と個々の部材の亀裂バネモデルとの関係を比較検討するとともに、静的荷重下での局所的な部材の破断と骨組全体の崩壊との関係を明らかにした。そして,激震時にも脆性的破断が生じない建築骨組の設計法の考え方の骨格をまとめた. これまでに本研究代表者らが開発した部材破断を考慮できる動的応答数値解析法を用いて,梁端部の破断に対し部分的に補強した9層3スパン鋼構造平面骨組の地震応答解析を行った。一部の部材端部を補強することで骨組の耐震性能が大きく改善される場合があるという結果を得た。また,外柱に接続する梁端部に破断が生じないよう補強した骨組において,補強部位の耐力に変化が生じないケースと耐力が増大するケースの応答を比較した結果,補強部位の耐力が上昇するケースでは内柱に接続する梁端部で多くの破断が生じ,その影響で層間変形角が増大することを示した。
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Research Products
(2 results)