1999 Fiscal Year Annual Research Report
赤外反射分光法による半導体電極-溶液界面反応機構の研究
Project/Area Number |
11118209
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庭野 道夫 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (20134075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄子 大生 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (30312672)
木村 康男 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (40312673)
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Keywords | 半導体 / 赤外分光 / 多重内部反射 / 固液界面 / 電極反応 / 反応機構 / 酸化 / エッチング |
Research Abstract |
本研究の研究内容は、(1)溶液中でSiやGaAsウェーハの内部多重反射赤外スペクトルを測定し、固液界面物質の同定を行う。また、これらの物質の濃度が電極電位や半導体基盤の種類(n型かp型か、あるいはキャリア濃度のちがい)によってどのように変わるかを明かにする。(2)ポーラスシリコンの形成過程をその場分析する。さらに、(3)電極電位を変化させた場合の効果や光照射効果も明らかにすることであった。 本年度の研究実績は以下の通りである。 (1)作用電極作成プロセスの改良 AlやAuなどの金属を裏面に蒸着したSi作用電極を作成することにより、電極電位-電流特性の再現性の向上に成功し、電極電位を変化させた場合の効果を測定することが可能となった。 (2)HF溶液中で電圧を印加されたSi(100)表面のエッチング過程の"その場"観察 溶液中のSi(100)表面のSi-H_x伸縮震動スペクトルの解析から、印加電圧がおよそ1Vでその挙動が変化することがわかった。印加電圧が1V以上のときにはSi-H_xのピークは次第に減少、もしくは変化しないのに対して、印加電圧が1V以下のときにはSi-H_xのピークは電圧印加とともに増加した。前者は、電気化学研磨が進行し、Si表面が平坦であり、後者はポーラスシリコンが形成し、表面積が増加したことを示している。 (3)ポーラスシリコン初期形成過程の原子レベルでの解明 ポーラスシリコンの表面はSi-H_2が優勢であるが、その初期形成過程では一度Si-H_2が減少し、Si-Hが増加することが初めて観察された。これは、エッチングされる以前のSi(100)表面に存在していたSi-H_2がエッチングされ、その結果Si-Hが生成したと考えられる。 このように、本研究では赤外分光法を用いることにより原子レベルでのエッチング過程を観察する技術を開発し、ポーラスシリコンの初期形成過程を解明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Michio Niwano et al.: "In-situ infiared observation of etching and oxidation processes at Si surface in NH4F solution"Journal of the Electrochemical Society. (印刷中). (2000)
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[Publications] Y. Kondo et al.: "Oxidation and hydrogen termination of Si surface in NH4F solution"Proc. Precision Sci. & Technol. for Perfect Surfaces. 495-500 (1999)