1999 Fiscal Year Annual Research Report
発光性MIMトンネル接合/溶液界面を用いる電極反応追跡と新規光電極反応の開拓
Project/Area Number |
11118228
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Research Institution | 東京商船大学 |
Principal Investigator |
馬場 凉 東京商船大学, 商船学部, 助教授 (70198951)
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Keywords | 発光 / MIMトンネル接合 / 表面光学定数 / 光電極反応 / 固液界面 / 表面プラズモン / エバネッセント波 / 光ヘテロダイン検出 |
Research Abstract |
本研究では、ローカルな表面プラズモンの関与する構造規制された発光性MIM構造を電極として用い、新しい電極反応の場を構築して、電極反応の制御を試みるとともに反応分子の表面拡散移動過程や反応の活性サイトなどミクロな反応場に関する知見を得ることが目的であった。そしてこれらの目的を達成するために、MIM電極基板からのエバネッセント波の浸み出しを反応駆動力として積極的に利用した表面反応の光制御を行い、またエバネッセント光の散乱およびプローブ光のモニターによる反応素過程のin situ解析を実現するための種々の基礎的な検討を行った。具体的には、概ね以下のような項目について順を追って検討を行った。 1、発光性MIM接合電極の作成とその発光特性および電極特性の検討 真空蒸着法と加熱酸化法とにより、Al/A1_2O_3/Auを基本構造とする発光性MIM接合を作成した。回転光学ステージを用いて、表面プラズモンからの発光の強度や出射角特性等をMIM接合/気相、MIM接合/液相界面について種々のパラメーターを最適化しながら調べた。さらに、ここで作成したMIM接合電極上で色素等のレドックス反応を行い、反応に伴う表面プラズモンからの発光について種々の角度から検討した。 2、表面光学定数マイクロマッピング法のMIM接合電極表面への適用 表面光学定数マイクロマッピング法をMIM接合電極表面における光誘起表面反応に適応し、エバネッセント波の散乱観察と同時に表面光学定数分布を調べた。特に、TiO_2薄膜で表面コートしたMIM接合電極上における光触媒反応をモデル表面反応として扱い、回転光学ステージを用いて表面プラズモンからの発光強度や出射角特性等を検討し、その知見を基に本手法の空間、時間分解能の向上のための実験的なポイントを整理し、反応中間体の表面拡散過程の評価を試みた。また、発光の高感度検出のために差動アンプおよび拡張スロット組み込み型のフォトンカウンティングシステムを用いてシステムの高感度化についても検討を行った。
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[Publications] K .Ishibashi: "Second Harmonic Generation Investigation of Rhodamine B Derivatives in Langmcer-Blodgett Films"J. Electroanal .Chem.. 465. 195-199 (1999)
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[Publications] 馬場凉: "電気化学的に駆動したレイリー・ベナール対流の空間規則性と磁場効果"化学工学論文集. 25・4. 579-584 (1999)
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[Publications] S.Nakabayashi: "Stereo-electrochemistry by Self-assembled Monolayer of Sulfurbridged Calivthiophene on Gold"Electrocem. Commun.. 1. 550-553 (1999)
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[Publications] R. Baba: "Optical Second Harmonic Generation Study on the Reconstruction of Gold(111) Surface Modified with SA-monolayers of B-Mercaptocarboxylic Acid"Nonlinear Optics. 22. 497-500 (1999)
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[Publications] R. Baba: "Spatiotemporal Reaction Propagation of Electrochemically Controlled Non-linear Iron Current Oscillator"Chem. Eng. Sci.. 55. 217-222 (2000)