1999 Fiscal Year Annual Research Report
イオン伝導性高分子を電子移動反応場に用いた機能界面の形成と高効率固体電池
Project/Area Number |
11118229
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
今林 慎一郎 横浜国立大学, 工学部, 講師 (50251757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹岡 敬和 横浜国立大学, 工学部, 助手 (20303084)
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Keywords | 固体電池 / 高分子固体電解質 / 傾斜複合膜 / ポリピロール / 過塩素酸リチウム / 界面抵抗 |
Research Abstract |
安全性とエネルギー・環境問題の点から、イオン伝導性高分子を電解質として用いた固体リチウム二次電池の実現が期待されている。この実現のためには高分子固体電解質(SPE)のイオン導電率向上と共にSPE/電極活物質間の迅速な電子移動反応の達成が必要であるが、SPEは電極物質に対する濡れ性、浸透性が著しく低いために迅速な電子移動反応を可能とする機能界面の形成が難しい。本研究では電極/SPE間の迅速な電子移動反応を可能とする機能界面の構築を目的として、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体のトリアクリレートをUV硬化して形成したSPEマトリックス中でピロールを定電流電解重合してポリピロール(PPy)からSPEへ組成が連続的に変化した傾斜複合膜を作成し、その電気化学的特性を検討した。XPS分析によってPPyが傾斜構造を有してSPE中に生成していることが確認された。100℃において、対極・参照極にLiを用いて測定した複合膜のサイクリックボルタモグラムは、ClO_4のドープ・脱ドープに伴う酸化・還元ピークが観測され、PPy/SPE界面で迅速なClO_4^-の移動が起きていることが分かった。PPyの電位をLi極に対して変化させて行った複素インピーダンス測定は、PPy/SPE界面の抵抗値[R_<ct>]がPPyの電位が正になるほど小さくなることを示した。PPyがほぼドープされた状態にある3.1VにおいてはSPE|Li界面のR_<ct>の約半分であり、PPy/SPE界面で迅速な電荷移動が起こっていることが裏付けられた。これは複合膜中に両高分子が相互に混合した良好な機能界面が形成されていることを示している。電解重合中、SPE中のLi^+がLiとしてカソード表面に析出することが観察され、PPy/SPE|Liで構成される固体電池は充放電特性を持つことを確認した。この結果は、本方法により固体電池を一段階の電解重合によって形成できる可能性を示す。
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Research Products
(1 results)