1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11119229
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 義勝 京都大学, 工学研究科, 講師 (20093726)
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Keywords | 超分子結晶 / 二成分結晶 / 固相光反応 / 強制的制御 |
Research Abstract |
混晶、分子化合物、分子錯体、共結晶、水素結合共結晶、ドナー・アクセプタ-結晶、電荷移動結晶、有機塩、包接結晶、ホスト・ゲスト共結晶などと呼ばれる多様な二成分結晶の反応、及び、その制御について研究した。 (1)非共有結合性リンカーによる立体制御 「ジアミン複塩結晶による立体制御」桂皮酸類やアントラセンカルボン酸類の固相光二量化反応の配向が1,2-シクロヘキサンジアミンなどのゴーシュ型1,2-ジアミンとの複塩結晶生成により制御された。熱的に不安定な二量体でも選択的に得ることが出来た。更に有効な他のリンカーを追求したが、発表できる段階にない。乳鉢固体混合法も検討した。 「メタルによる立体制御」上と同様な光二量化反応が二価メタル(Mg,Ca,Sr,Ba,Zn)とのイオン結晶生成により制御された。ゲストとして含まれる溶媒や水を除くと自由空間が増えて反応性が増加した。 「ジカルボン酸共結晶による立体制御」桂皮酸アミド類の固相光二量化に際し、フタル酸はゴーシュ型1,2-ジアミンのように非共有結合性リンカーとして働き、蓚酸は層状ホスト分子としてゲストのオレフィンを平行に配列させた。フマル酸は交差光二量体を生成した。弱い水素結合共結晶の場合は頻々にdynamic disorderが存在し、transientな結晶構造の方が安定な結晶構造よりも反応性の高い場合には、結晶構造と反応性との関連は破られた。 (2)層状結晶構造による立体制御 (3)その他の方法による立体制御 従来の殆どの固相光二量化反応はsyn型である。嵩高い基による立体反発、イオン反発、芳香族-芳香族相互作用(C-H・・・π,π・・・π)等に基づくフマル酸のanti型固相光二量化を試みているが、まだ成功していない。適当な塩又は共結晶を用いて、本来無反応性であるフマル酸のsyn型二量体は得られた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y. Ito: "Solid-State Organic Photochemistry of Mixed Molecular Crystals"Molecular and Supramolecular Photochemistry. 3・-. 1-70 (1999)
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[Publications] R. Yoshihara: "An Asatone-type Neolignan and Its Photocage Product"Acta Cryst. C. 55・-. 1144-1147 (1999)
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[Publications] K. Naka: "The Effect of an Anionic Starburst Dendrimer on the Crystallization of CaCO_3 in Aqueous Solution"J. Chem. Soc., Chem. Commun.. -・19. 1931-1932 (1999)
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[Publications] Y. Ito: "Unusual [2+2] Photocycloaddition between Tryptamine and 3-Nitrocinnamic Acid in the Solid State"Chem. Lett.. -・3. 288-289 (2000)
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[Publications] Y. Ito: "Compelled Orientational Control of the Solid-State Photodimerization of trans-Cinnamamides : Dicarboxylic Acid as a Non-covalent Linker"Tetrahedron.
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[Publications] H. Hosomi: "Crystal-to-Crystal Photodimerization of trans-Cinnamamides"Acta Cryst. B.