1999 Fiscal Year Annual Research Report
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11120233
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宇根山 健治 岡山大学, 工学部, 教授 (00033150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
網井 秀樹 岡山大学, 工学部, 助手 (00284084)
片桐 利真 岡山大学, 工学部, 助教授 (70202009)
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Keywords | セレン化合物 / フルオロ-セレノ化 / α-ジアゾ化合物 / フッ化ベンゼンセレネニル |
Research Abstract |
フッ化ベンゼンセレネニルとα-ジアゾカルボニル化合物との反応。 フッ化ベンゼンセレネニルは炭素-炭素二重結合に容易に付加し、1,2-付加体、すなわち、フッ化ベンゼンセレネニル化する。この反応剤はフッ素原子の強力な電気陰性度によりきわめて高い求電子剤となるために、α,β-不飽和カルボニルの如き電子欠損の炭素-炭素二重結合にも付加する。この事実を応用すると、非共有電子対と空軌道を同じ炭素上に有する活性炭素化合物、すなわち、アルベン等価体であるα-ジアゾカルニル化合物や、イソニトリルと反応して、1-フルオロ-1-ベンゼンセレネニル化体(1)を与えると推測できる。事実イソニトリルとの反応は速やかに進行するが、生成物が非常に不安定で単離することができなかった。他方、α-ジアゾカルボニル化合物とも-20℃で速やかに反応することが判明した。ほとんど瞬時に窒素ガスを発生し、フッ化ベンゼンセレネニルの暗褐色の色は消失した。鎖状、環状脂肪族ケトン、エステル、ならびに鎖状、環状芳香族ケトンとも目的物である、α-フルオロ-α-ベンゼンセレネニルカルボニル化合物を収率60〜80%で与えた。セレノ基の酸化的あるいはスズラジカルによるラジカル反応により、(1)をα-フルオロ-α,β-不飽和ラジカル、及びα-フルオロ-α-アルキルエステルに変換できた。 α-フルオロ-α,β-不飽和ケトン、エステルはアミド等価体とみなされ、様々な生物活性を示すことが知られている。従って本研究で合成できたα-フルオロカルボニル化合物は新しい医薬などに応用できる可能性があり、今後、製薬会社に試料を提供し、共同研究を展開する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Katagiri,K.Rutose,N.Shimokawa,N.Kusumoto,K.Uneyama: "A Preparation of Triflucrolactic Aldehyde"Tetrahedron. 55. 9163-9170 (1999)
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[Publications] K.Uneyama,S.Hiraoka,S.Koedo: "Reactions of Benzene selenenyl Fluoride Generated by XeF_2-(phSe)_2-Systems with Election-defiant Alkenes"J.Fluorine Chem.. (印刷中). (2000)
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[Publications] K.Uneyama著 S.Oae,A.Ohno,T.Okuyama編: "Reviews on Heteroatom chemistry"Myu. 312 (1999)