1999 Fiscal Year Annual Research Report
カルコゲン―カルコゲン結合を有する環状不飽和化合物の合成、構造、反応
Project/Area Number |
11120245
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
上方 宣政 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (70087112)
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Keywords | 1,2-ジチエット / エタン―1,2―ジチオン / テトラチオシン / ヘテロディール―アルダー反応 / 分子軌道計算 |
Research Abstract |
1,2-ジチエットはアルケンと反応し[4+2]型の環化付加体を立体特異的に与えることがわかった。この反応は生成物の立体化学から,アルケンと1,2-ジチエットの異性体であるエタン―1,2―ジチオンとのヘテロDiels-Alder反応であると考えられるが,電子供与基を有するアルケンとの反応性が高く,通常のDiels-Alder反応とは逆の反応性を示すことがわかった、そこで,エタン-1,2-ジチオンと各種アルケンについて分子軌動計算を行ったところ,この反応がジチオンのLUMOとアルケンのHOMOとの相互作用による逆電子要請型のヘテロDiels-Alder反応であることが明らかになった。また,1,2,5,6-テトラチオシンおよび1,2―ジチエットの環状四量体(16員環)とアルケンとの反応においても同様の生成物を与えることがわかった。また,テトラチオシンおよび16員環化合物はベンゼンおよびクロロホルム中室温で安定であるが,ジチエットはベンゼンおよびクロロホルム中で環拡大し,テトラチオシンおよび16員環化合物を与えることがわかった。一方,アセトニトリル中ではテトラチオシンおよび16員環化合物も反応し,それぞれジチエットおよび16員環化合物,ジチエットおよびテトラチオシンを与えた。この反応は可逆であり,アセトニトリルのような極性溶媒中ではジチエット,テトラチオシンおよび16員環化合物の間に平衡があることがわかった。また,どの反応の場合にもZ,Z,Z―12員環化合物が得られないのは、Z,Z,Z―12員環構造の環歪みによるためであることが分子軌道計算により明らかになった。このような環変換反応が起こるのは硫黄―硫黄結合の弱い結合エネルギーによるためと考えられる。また,最近セレン類似体の合成にも成功し,これらの物性および反応性を明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 上方宣政: "Reaction of a,2-Dithiete with Alkenes and Alkynes : Experimentel and Theoretical Study"Jornal of Organic Chemistry. 64. 8489-8494 (1999)
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[Publications] 上方宣政: "Absolute Configuration of 2,4,6-tri-tert-butyldiphengl-selenonium-N foluene-4-soulfonimide"Acta Crgstallographica. C55. 1861-1862 (1999)
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[Publications] 上方宣政: "Optical Resolution and Configurational Stability of Selenoxides Stabili2ed by Intramolecular coordination"Jounal of Organic Chemistry. 64. 8242-8247 (1999)
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[Publications] 上方宣政: "Isolation and Stereochemistry of Optically Active Selenouiam Imides"Jounal of Organic Chemistry. 64. 7433-7438 (1999)
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[Publications] 上方宣政: "Pgramidal Inversion Energies and Conformational Analysis chalcogen-onium"J. Chem. Soc. , Perkin Trans. I. 1649-1473 (1999)
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[Publications] 上方宣政: "Sgnthesis and Reactions of 1,2-Dithiete and Related Compounds"Phosphorus, Sulfur and Silicon. 153. 431-432 (1999)