1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11121222
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
伊藤 嘉浩 徳島大学, 工学部, 教授 (40192497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川添 直輝 徳島大学, 工学部, 助手 (90314848)
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Keywords | 糖鎖分子 / 密度傾斜 / 固定化 / バイオシグナル分子 / ヘパラン硫酸 / ヒアルロン酸 / フォトマスク |
Research Abstract |
本研究では,種々の糖鎖分子を密度傾斜をつけて固定化した材料を合成し,in vitroでの細胞との相互作用を検討した.バイオシグナル分子を密度傾斜をつけて固定化した例はこれまでなく,固定化密度と細胞応答との関係が定量的に明らかになれば,今後の材料設計への重要な指針が得られるようになると推測される.ここでは,光リソグラフ法により,ヘパラン硫酸,ヒアルロン酸といった糖鎖分子を密度傾斜をつけてパターン状に固定化した基板上で細胞を培養し,成長・分化・運動などの細胞機能制御の可能性を検討した.まず,固定化したい糖鎖分子に,アジドフェニル基(光照射によって開裂してナイトレンを生じる)を結合した.得られた誘導体をポリスチレン基板に塗布した後,紫外光を照射した.このとき,フォトマスクで基板表面を覆い,光照射領域だけに反応を起こさせ,糖鎖分子をフォトマスクのパターンにしたがって固定化した.最初に,細胞スケールより大きいパターン(100μm)を形成させた材料上で各種細胞を培養した.バイオシグナル分子の固定化領域と未固定化領域における細胞の応答の様子から,バイオシグナル分子が固定化されても細胞に刺激を伝達できることが明らかとなった.次に,細胞スケールより小さいパターン(2μm)上で細胞を培養し,蛍光抗体顕微鏡法によりシグナル伝達を観察した.さらに,固定化密度に傾斜をかけた材料上で細胞を培養し,細胞への情報伝達に最小限必要な固定化量を明らかにし,バイオシグナル分子による細胞への刺激応答性の定量的な関係が得られた.
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[Publications] Y.S.Park: "Micropattern-immobilization of heparin to regulate cell growth with fibroblast growth factor (EGF)"Cytotechnology. (印刷中). (2000)
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[Publications] Y.Ito: "Micropattern immobilization of polysaccharide"J.Inorg.Biochem. (印刷中). (2000)
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[Publications] 伊藤嘉浩: "細胞に情報伝達できるバイオ新素材"蛋白質・核酸・酵素. (印刷中). (2000)
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[Publications] Y.Ito: "Surface micropatterning to regulate cell functions"Biomaterials. 20. 2333-2342 (1999)
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[Publications] 伊藤嘉浩: "バイオ人工臓器と再生医学"現代医療. 31. 2991-2996 (1999)
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[Publications] 伊藤嘉浩: "臓器再生を目指すバイオ材料"バイオサイエンスとバイオインダストリー. 57. 737-742 (1999)
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[Publications] 伊藤嘉浩: "動物細胞工学ハンドブック"朝倉書店(印刷中). 300 (2000)