1999 Fiscal Year Annual Research Report
新規蛍光ポリマーの合成と表面エバネッセント光による単一分子機能イメージング
Project/Area Number |
11122204
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
篠原 健一 東北大学, 大学院・工学研究所, 助手 (10292244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 秀男 東北大学, 大学院・工学研究所, 助教授 (90165093)
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Keywords | 共役系高分子 / 合成 / 重合 / 全反射蛍光顕微鏡 / エバネッセント / 1分子 / 光機能 / 分光 |
Research Abstract |
機能性高分子の中でも特にπ共役系高分子に着目し、このπ共役系主鎖1本の動的構造変化とこれに伴う光機能イメージングを目的として、近接場顕微鏡の一種である、表面エバネッセント波照明蛍光顕微鏡を独自に製作し、新規に合成したπ共役系棒状およびらせんポリマーの1分子発光の観測を有機溶媒中で行った。 新たに分子設計及び合成し主鎖中にアントラセン骨格を有するπ共役系(アリーレンエチニレン)[Poly(AEPE)]をこの顕微鏡で観測したところ、Poly(AEPE)からの蛍光による輝点が幾つも観測された。これら輝点のうちのある一点についての発光強度の時間変化を追跡したところ、この発光は一定の強度を保っていたが、ある時点から、突然この強度は背景光のレベルにまで低下した。この結果は、ガラス基盤表面からのポリマー分子の脱着の過程を見ている可能性が高い。これがポリマー分子による過程でなければ、この様な1段階の発光強度低下にはならない(2分子なら2段階、3分子なら3段階で発光強度は低下する)。このことからポリマー1分子の直視が達成されたものと考察した。また、らせんπ共役系高分子のPoly(n-DecCPA)についても同様であった。 Poly(AEPE)の1分子蛍光スペクトルの時間変化をしたところ、6つのスペクトルが得られた。それぞれ2秒間の積算を行なうことで順次得られ、これらは大きく以下の3つのタイプに分けることが出来た。 (A)短波長側から長波長側へ次第に発光強度が低下している (B)発光波長極大が570nm付近にあらわれた (C)完全に光強度が背景光にまで低下した ここで、スペクトルはPoly(AEPE)の膨大な数の分子を測定対象としている通常の溶液中での蛍光スペクトルの波形と良く一致した。このことか、先ず(A)はポリマー1分子が基盤ガラス表面上で強く吸着されている状態で、次いで(B)は比較的基盤とは弱く相互作用していて、ポリマー1分子が溶媒中でブラウン運動しているに近い状態、そして最後に(C)はポリマー1分子が基盤上から脱着した状態と考察した。ここで特筆すべきは、上記のポリマー1分子の構造変化に伴う発光スペクトル変化が秒のオーダーで生じたという事実である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K. Shinohara and H. Higuchi: "Direct Observation of Dynamic Behavior of Single Molesules of a Linear π-Conjugated Polymer with Total Internal Reflection Fluorescence Microscope"Trans. Materials Res. Soc. Jpn.. (印刷中). (2000)
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[Publications] 篠原健一: "ポリマー1分子の直視"高分子加工. 48. 440-442 (1999)
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[Publications] 樋口秀男: "モータータンパク質1分子の動きをみる"可視化情報. 20. 13-18 (2000)
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[Publications] 樋口秀男: "生体リニア分子モーター1分子の動きを見る"トライボロジスト. (印刷中). (2000)
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[Publications] J. A. Dantzin, H. Higuchi and Y. E. Goldman: "Study of Molecular Motors Using Caged Compounds"Methods in Enzymology. 291. (1999)
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[Publications] 樋口秀男: "モータータンパク質1分子の動きを見る"実験医学. 17. 473-480 (1999)