1999 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ結晶-誘電体複合系の超高速近接場光学応答の研究
Project/Area Number |
11122209
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 新男 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (50159068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱中 泰 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助手 (20280703)
市田 正夫 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助手 (30260590)
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Keywords | 自己組織化InAs量子ドッド / 走査トンネル顕微鏡 / 走査トンネル分光 / 金属コロイド / 非線形光学材料 / 量子サイズ効果 / 超高速レーザー分光 |
Research Abstract |
金属や半導体のナノ結晶と誘電体の複合系および半導体基板上の単一量子ドットにおける近接場光の応答と電子状態を調べ、微小物体における近接場ナノ光学の基礎的知見を得ることを目的として本研究が行われた。本年度の成果は以下の通りである。 1.InAs単一量子ドットの構造と電子状態 InAsドットとwetting layerの電子状態を走査トンネル顕微鏡/走査トンネル分光(STM/STS)によって調べた。ドット高さに依存したバンドギャップ変化が観測され、その依存性は量子サイズ効果によって説明されることが理論との比較から明らかになった。また、STMの探針によってバンド曲がりが誘起されること、そのバンド曲がりが光照射によって抑えられることがわかり、光照射下におけるSTS測定の重要性と有効性を明らかにした。 2.InGaAs単一量子ドットの構造と電子状態 InASとGaASの混晶からなる量子ドットの構造とバンドギャップをSTM/STSで調べ、構造と混晶化の問題を調べた。測定されたバンドギャップのドット高さ依存性は、量子サイズ効果によってほぼ決められていることがわかった。より詳細な研究から、個々のドットにおける組成変化が解明されることが期待される。 3.金属ナノ結晶-絶縁体複合系の超高速非線形応答 金ナノ結晶と絶縁体複合系の光励起電子の緩和過程に対するマトリックス物質とナノ結晶サイズの影響をフェムト秒ポンプ・プローブ分光によって調べた。実験結果は、緩和過程がマトリックスとサイズの両者に依存することを示し、従来のモデルを拡張したモデル計算によって説明できないことがわかった。ナノ結晶に特有のブリージングモードのダンピングによって光励起エネルギーが緩和する過程が存在することを初めて明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H. Ohmura 他: "Quantum beats of confined exciton-LO phonon complexes in CuCl nanocrystals"Phys. Rev. B. 59(19). 12216-12219 (1999)
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[Publications] L. Bolotov 他: "Semimetal to semiconductor transition in ErP islands grown on InP(001) due to quantum-size effects"Phys. Rev.B. 59(19). 12236-12239 (1999)
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[Publications] Y. Hamanaka 他: "Ultrafast response of nonlinear refractive index of silver nanocrystals embedded in glass"Applied Physics Letters.. 75(12). 1712-1714 (1999)
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[Publications] S. T. Selvan 他: "A facile sol-gel method for the encapsulation of gold nanoclusters in sillica gels and their optical properties"Journal of Non-crystalline Solids. 255. 254-258 (1999)