1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ原子置換型炭素材料のリチウム吸着特性に関する理論的研究
Project/Area Number |
11124224
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
栗田 典之 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (40283501)
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Keywords | 炭素材料 / リチウムイオン電池 / 電極材 / 分子軌道計算 / リチウム吸着機構 / 吸着エネルギー / 電子状態 / ヘテロ原子置換 |
Research Abstract |
リチウムイオン二次電池用負極材料として、黒鉛化度の低い低結晶性炭素材料が開発され、黒鉛の理論容量を越える量のLiを受容可能な炭素材料が得られている。さらに、低結晶性炭素材料の高容量化を目的として、炭素材料にホウ素、窒素をドープする試みがなされ、充電放電容量がより大きい材料が得られている。しかし、ホウ素を単独でドープした場合は、2.35%以上のドープは困難であり、Li充放電容量が飛躍的に増加することは望めない。 最近、室蘭工業大学の佐々木氏のグループでは、ボラン-複素環化合物を原料とし、熱分解によりBCNアロイを生成している。このアロイの元素組成比は、B:C:N=2:4:1であり、BとNを同時にドープすることにより、従来よりも多くのBをドープすることができる。また、XPSの実験結果から、このアロイ中には、BNB単位が存在する可能性が高いと指摘されている。 本研究では、低結晶性炭素材料のモデルとして、6角形のC_<54>H_<18>及びC_<96>H_<24>シートを採用し、そこにBNB単位で置換を行った場合の安定構造、電子状態、Li吸着特性の変化を、半経験的分子軌道計算(MOPACのMNDO法)により解析し、ホウ素を単独で置換場合と比較することにより、以下の点を明らかにした。 (1)BNB置換は、B周辺の格子歪みを緩和し、より多くのB置換を可能にする。 (2)BNB置換シート上にLiを吸着させると、LiはN周辺には吸着し難く、Nを置換元素として含めることによりシート上のLiが吸着し易いサイトは減少する。
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[Publications] 栗田典之: "ホウ素および窒素置換炭素材料のリチウム吸着状態に関する分子軌道計算"炭素. 185. 266-271 (1998)
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[Publications] N. Kurita: "Molecular Orbital Calculations on Lithium Absorption in Boron-or Nitrogen- Substituted Disordered Carbon"Carbon. 38(1). 65-76 (1999)
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[Publications] N. Kurita: "Molecular Orbital Calculations on Electronic Properties and Lithium Storage of Substituted Disordered Carbons"J. Liq. Cryst & Molec. Cryst..
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[Publications] M. Sasaki, Y. Goto, M. Inagaki, N. Kurita: "Lithium Intercalation into BCN Alloy Derived from Prydine-borane Complex"J. Liq. Cryst & Molec. Cryst..
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[Publications] 栗田典之,佐々木眞,後藤裕介: "ホウ素および窒素置換したグラファイトシートの電子物性とリチウム吸着特性"表面. (2000)