1999 Fiscal Year Annual Research Report
サブミリ波ESRによる磁性半導体超構造の電子状態の研究
Project/Area Number |
11125202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野尻 浩之 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (80189399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本河 光博 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30028188)
小山 佳一 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70302205)
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Keywords | 半導体 / ESR / サブミリ波 / 電子状態 |
Research Abstract |
磁性半導体超構造を用いたスピンエレクトロニクス実現のために、III-V 族半導体である GaAs に遷移金属をドープした時に生じる強磁性発現の機構やその電子状態の理解することは重要である。本年は、前年から継続してサブミリ波ESRを用いて強磁性状態での GaMnAs を研究した。さらに本年度は、ESR にくわえて遠赤外分光実験も行った。分光実験では、赤外領域に価電子帯から Mn のアクセプターレベルへの遷移と思われる吸収と、遠赤外領域に低波数にひろがったブロードな吸収を見いだした。後者の強度は、強磁性転移温度以下で大きく増大することから、強磁性秩序によってホッピング伝導が増加していると考えられる。このことは、キャリア誘起強磁性の証拠であるが、同時に Mn 濃度が数%のところでは、ホッピング伝導が見られたことから、電子状態は完全に金属的にはなっておらず、半導体との中間的な様相を示すことも明らかとなった。さらにII-VI属磁性半導体の CdMnTe において少量の Fe をドープしたときに現れる強磁性の発現機構に関してESR で調べた。その結果、強磁性は鉄のスピンの周りで Mn スピンが強磁性的に揃えられることにより起きることを示唆する結果を得た。この場合 Fe の異方性が強い事が、スピンを揃えることを促進していると考えられ、さらにII-VI属磁性半導体においては2種類の磁性イオンを同時にドープすることによって、強磁性的な配列を作りうる可能性があることを示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H. Nojiri et al.: "ESR study of Mndoped II-VI and III-V DMC"Physica B. 256-258. 569-572 (1998)
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[Publications] H. Nojiri et al.: "Submillimeter Wave ESR study of Cd_<1-x> M_<nx> Te"J. Crystal Growth. (印刷中). (2000)
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[Publications] K. Koyama et al.: "Magnetic Resonance of GdAs"Physica B. (印刷中). (2000)