1999 Fiscal Year Annual Research Report
次世代エンドキャップカロリメーター用・フッ化セリウムの開発研究(III)
Project/Area Number |
11127218
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
稲垣 隆雄 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (60044757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 喜男 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50013397)
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Keywords | フッ化セリウム / 無機物結晶 / 放射線計測 / カロリメーター |
Research Abstract |
フッ化セリウム結晶は、高密度(比重6.16)で、高速で蛍光発光する無機物結晶である。しかも、燐光発光が無く、耐放射線にも優れているので、高い計数率の素粒子・原子核実験で使用するカロリメーターとして最適な物質である。そこで、BELLEシステムのエンドキャップ部のカロリメーターの次世代の有力な候補として開発を進めている。 今回の研究は、これまでの研究によって確立してきた結晶製法を使ってサンプルを製作し、性能を調査し、ひいては製法上の問題点をより厳しく探ろうとするものであるが、研究方法としては、関心を持つ研究者にサンプルを貸し出して、より系統的な調査を行おうというものであった。その為に、1999年6月7日に、10機関から約30名の参加を得て、「フッカセリウム結晶開発の為の研究会」を行った。そこでの議論に基づいてサンプルを製作し、9月には一部の大学への貸し出しを始めた。成果について未だ定まったものは乏しいが、以下の様な特異な現象も発見された。放射線源による出力波形の違い(時間成分の違い)が見られ、粒子弁別への応用の可能性があり、しかもこの性質が結晶の分光透過率の短波長吸収端の値(これは結晶製作上未だ少しバラつく)に強く相関している。今後、早期に研究会を開き、成果をまとめて行きたいと考えている。 関連する結晶製作に関する研究では、今年度はこれまでの成果発表の為の欧文誌への投稿と製作技法の特許申請を行った。
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