1999 Fiscal Year Annual Research Report
食品産業における廃棄物質源化ネットワークの構築と生分解性プラスチック産業の創造
Project/Area Number |
11128103
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
白井 義人 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (50175395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 修一 山口大学, 工学部, 教授 (80144921)
酒井 謙二 大分大学, 工学部, 助教授 (50205704)
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Keywords | 生ゴミ / 食品ゴミ / 乳酸 / ポリ乳酸 / 生分解性プラスチック / ネットワーク / 有機性廃棄物 / 食品産業 |
Research Abstract |
我々はこれまでにゴミ処理の中で最も厄介な生ゴミを分別して乳酸・ポリ乳酸の原料とすることでゴミ処理の効率化を目指してきた^<1)>。また、きわめて近い将来に食品ゴミのリサイクル法が国会に上程され、生ゴミの資源化も義務付けられる流にある。この際、付加価値の高い乳酸やポリ乳酸の生産は生ゴミや食品ゴミの資源化にとっては有利であるが、いきなり家庭の生ゴミの資源化を試みても、基本的な技術的問題以外に分別回収等に多くの問題が予想されるため、生ゴミ→乳酸・ポリ乳酸化の技術的な妥当性については明確な答がでない。一方、ホテル、レストラン、病院等から排出される事業系の生ゴミは毎日ある程度の量が排出されるため、分別、搬送等、既存のシステムを大きく変更することなく収集することが可能であると思われる。さらに、大都市内、あるいは、その近隣の食品工場からの食品ゴミを集め、乳酸発酵に適した組成で発酵させ、乳酸を生成することもまた食品ゴミのリサイクルと資源化にとって有効であると考えられる。本研究の目的は100万都市である北九州市を題材に、様々な事業所から実際に収集した生ゴミや食品工場から集めた食品ゴミを原料に乳酸発酵させ、生成乳酸量を確認すると同時に、市内施設の数から現在の北九州市で回収可能な事業系生ゴミ量とそこから得られる乳酸量を推定することである。これらに加え、発酵残渣の肥料、土壌改良材としての利用について検討することも目的とした。その結果、排出される食品ゴミ(湿潤基準)の概ね10%が乳酸になることがわかった。今回北九州市で調査した結果と乳酸発酵の結果に基づき、北九州市で収集可能な生ゴミ量からの乳酸生成量を推定する。未調査あるいは調査不十分なものについては実験あるいは調査結果からの推定とした。その結果人口100万人の北九州市で1日50トン程度の事業系生ゴミの収集が可能であることがわかる。すなわち、実験結果から現状のシステムを大きく変える必要のない事業系生ゴミのみで1日5トン、年間2000トン程度の乳酸生産が期待できることがわかった。すなわち、1億2千万人の日本全国に拡大して考えると20万トン強の乳酸が生産できることになる。すなわち、20万トン程度のポリ乳酸の合成が可能になる。この量は我が国の年間ゴミ袋用プラスチックの使用量程度であると推定できる。
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