1999 Fiscal Year Annual Research Report
有機廃棄物再生処理のための新しいタイプの触媒の開発
Project/Area Number |
11128226
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
服部 忠 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50023172)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 寿雄 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (80273267)
薩摩 篤 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (00215758)
|
Keywords | メソポーラスシリカ / アンモニア吸着 / FTIR / 微分吸着熱 / アルキル化 / トルエン / ポリエチレン分解 / ラジカル型触媒 |
Research Abstract |
申請者らは、前年度に、メソポーラスシリカ上にラジカル型の活性サイトが発現する可能性を明らかにした。本年度においては、ラジカル型活性サイトの確認、活性サイトの質的・量的改善の可能性の検討およびポリエチレン触媒分解への適用の検討を行った。 MCM-41上の吸着NH_3のin situ FTIRスペクトルを測定したところ、Bronsted酸点あるいはLewis酸点上の吸着種は見られず、高温排気した試料では歪んだシロキサンボンドの吸収が消え、NH_2型吸着種に帰属される吸収帯が観察された。この結果は、歪んだシロキサンボンドがNH_3を解離的に吸着する活性点となっていることを示しており、前述のラジカル型サイトの発現が確認された。NH_3微分吸着熱測定によれば、吸着熱はHZSM-5ゼオライトと同程度であり、ラジカル型サイトの活性が非常に高いことが示唆された。またAlを含んだMCM-41ではNH_3化学吸着量がAl含量レベルまで増加し、Alの添加により活性サイトの量的な増加効果および質的向上が期待できることを示唆している。トルエンのアルキル化反応の結果によれば、Alを含まないMCM-41核メチル化と側鎖アルキル化の2つの反応が進行し、ラジカル型のサイトを持つことが確認された。一方、Al含有MCM-41では両方の反応が起こるが、核メチル化が優先するので、A1の導入により発現した活性サイトの多くは酸点として働くことが示された。 高密度ポリエチレンの分解実験を行ったところ、Alを含むメソポーラスシリカ上の分解速度は、無触媒の熱分解に比して著しく大きく、その触媒活性は、酸型のH-ZSM-5触媒に匹敵した。また、生成物分布を見ると、メソポーラスシリカでは熱分解に匹敵する高い液収率が得られた。液状生成物の分布も熱分解のパターンに近く、メソポーラスシリカがラジカル型の分解触媒として高い性能を持つことが確認された。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] T. Hattori, T. Ebigase, Y. Inaki, H. Yoshida, A. Satsuma: "Radical Type Catalytic Sites on Mesoporous Silica"Stucy in Surface Science and Catalysis. (印刷中).