1999 Fiscal Year Annual Research Report
Bi系酸化物高温超伝導体薄膜を用いた固有接合デバイスに関する研究
Project/Area Number |
11129207
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井上 真澄 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (00203258)
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Keywords | 酸化物超伝導体 / BSCCO / Bi2212 / スパッタリング / 薄膜 / 固有接合 / 熱処理 / ギャップ電圧 |
Research Abstract |
Bi系酸化物高温超伝導体(BSCCO)は異方性が強く,固有接合の研究においては主にその単結晶が用いられている。しかし,応用を考えた場合,薄膜での実現が望ましい。この材料の良質な薄膜の作製は難しいが,我々は高品質なBSCCO薄膜を作製する技術を開発し,高温相ではas-grownで臨界温度Tcが100Kを越す薄膜を得ている。本研究では,この高品質BSCCO薄膜作製技術に基づき,低温相(Bi2212)の薄膜による固有接合についてその作製技術および接合特性の向上を目指してプロセス技術等の検討を行った。得られた知見を以下に述べる。 1.固有接合作製技術の向上についての検討: 二段階熱処理(高温・酸素中および低温・窒素中)により粒塊拡大とドープ量制御を行ったBi2212薄膜の表面を加工し,固有接合となる10mm□のメサを形成し,その作製条件および熱処理条件と接合特性との関係を調べた。電流-電圧特性にヒステリシスと電圧のとびが観測されるための低温熱処理時間を求めたところ,熱処理温度500℃の場合は12時間程度以上必要であったが,600℃の場合は3時間以上,700℃の場合は1時間以上であった。一方,低温熱処理の温度とともに表面の荒れも速く進むことが確認された。低温熱処理は,表面の荒れと処理時間を考慮して主に600℃で行うこととした。メサ高さの低いものではギャップ電圧が観測されることもわかった。 2.固有接合特性向上についての検討: より明瞭な特性が得られるように,さらに小さいメサの作製を試みた。5mm□のメサ(高さ約40nm)を用いて測定した電流-電圧特性において,明瞭な電圧のとびとヒステリシスが観測され,単結晶的な試料が得られたものと考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Masumi Inoue: "Preparation of Intrinsic Josephon Juncitons Using Bi-2212 Thin Films"IEEE Trans. Appl. Supercond.. 9(2). 4503-4506 (1999)
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[Publications] Jun Otsuka: "Surface Resistance of Bi-2212 Films Fabricated by Multitarget Sputtering"IEEE Trans. Appl. Supercond.. 9(2). 2183-2186 (1999)