1999 Fiscal Year Annual Research Report
抗体-光増感剤コンジュゲイトの合成とこれを用いた光線力学治療
Project/Area Number |
11132216
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大倉 一郎 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (90089821)
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Keywords | 光線力学治療 / 抗体 / 光増感剤 / フタロシアニン / レーザーフラッシュ法 |
Research Abstract |
光線力学治療は光増感剤をガン患者に投与し、光増感剤が取り込まれた腫瘍組織に光照射を行うことにより、腫瘍を壊死させる方法である。現在、光線力学治療用の光増感剤としてはポルフィリンの誘導体であるフォトフィリンが用いられている。しかし、フォトフィリンは腫瘍選択性が低いこと、組織透過性のよい長波長領域の光の吸光係数が小さく、深部の腫瘍の治療には適さないという欠点がある。そこで、本研究ではこれらの欠点を克服し、とくに腫瘍選択性の高い、抗体-光増感剤コンジュゲイトの開発を目的としている。 昨年度は抗体-光増感剤コンジュゲイトを創製したので、本年度は、抗体-光増感剤コンジュゲイトのキャラクタリゼーションを行い、併せて腫瘍への取り込み、および殺腫瘍効果を調べた。光増感剤としては、おもに新規亜鉛フタロシアニンを用いた。中心金属として亜鉛を、側鎖としてフッ素およびスルホ基数の異なるフタロシアニンを創製し、これら化合物の光化学的性質を調べた。光化学的性質の中でとくに光励起三重項寿命は光増感活性を左右する重要な因子である。励起用光源にNd-YAGレーザーを用い、レーザーフラッシュ法により寿命を測定した結果、数百マイクロ秒と長寿命であることがわかった。これとマウス腹水ガン抗体と結合させ、抗体-光増感剤コンジュゲイトを創製したところ、腫瘍への取り込み、殺腫瘍効果が高いことが分かった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] S. Ogura: "Preparation of new phthalocyanine-immunoconjugate and its effect for photodynamic therapy"Porphyrins. 7. 389-394 (1999)
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[Publications] K. Fukushima: "Photochemical properties of water-soluble fluorinated zinc phthalo-cyanines and their photocytotoxicity against Hela cells"J. Porphyrins Phthalocyanines. 2. 219-222 (1999)
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[Publications] Y. Amao: "Photoluminescent oxygen sensing using palladium tetrakis (4-carboxy-phenyl) porphyrin self-assembled membrane on alumina"Anal. Commun.. 36. 179-180 (1999)
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[Publications] Y. Amao: "Novel optical oxygen pressure sensing materials : Platinum porphyrin-styrene-trifluoroethylmethacrylate copolymer film"Chem. Lett.. 1999. 1031-1032 (1999)
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[Publications] T. Inoue: "Photoinduced hydrogen evolution from glucose using Zn-porphyrin as a photosensitizer"Porphyrins. 8. 29-32 (1999)
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[Publications] 大倉一郎: "ポルフィリンの光化学とその応用"ポルフィリン. 8. 33-39 (1999)
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[Publications] 船津高志: "生命科学を拓く新しい光技術"日本光生物学協会編 共立出版. 186 (1999)