1999 Fiscal Year Annual Research Report
分子レベルでのタンパク質の配向制御による新しいバイオ素子の設計
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11132220
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
横山 憲二 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (80242121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪口 利文 東京農工大学, 工学部, 助手 (10272999)
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Keywords | 部位特異的固定化 / 蛍光性修飾剤 / グルコースオキシダーゼ / ファージ提示系 / 表面プラズモン共鳴 / ペプチド |
Research Abstract |
酵素や抗体を電極、微粒子表面に固定化し、これを効率よく利用するためには、タンパク質分子が有効に機能する部位、方向に固定化し、提示する必要がある。これまでの酵素や抗体の固定化では、タンパク質のアミノ酸残基を利用する方法が用いられてきた。しかしタンパク質は同種のアミノ酸を多数有しているため、部位特異的な固定化は難しい。そこで二つのアプローチにより、タンパク質の配向性を分子レベルで制御して非生物材料表面上に提示する方法を開発する。 タンパク質表面の近接する異なるアミノ酸残基を利用することにより、部位特異的に蛍光性修飾剤を導入した。本法では最後にジスルフィド結合を切断するため、Ser(またはThr)とLysが近接する部位にのみ蛍光性修飾剤が修飾される。平成11年度はグルコースオキシダーゼ(GOx)に蛍光性修飾剤を導入した。GOxの化学修飾過程を調べたところ、蛍光性修飾剤の化学修飾により極めて大きな蛍光強度の増加がみられた。また、ジスルフィド結合を還元することにより著しい減少がみられた。すなわち、Lysが近傍に存在しなかった蛍光性修飾剤の脱離が起こったと考えられる。 タンパク質に対し部位特異的親和性を持つペプチドを用いることにより、配向制御可能なタンパク質固定化法を開発する。ファージ提示系ペプチドライブラリーから、GOxの52から58番目の部分配列に親和性を持つペプチドを選択した。次に、このペプチドをコードするDNAのシークエンスを行い、アミノ酸配列を決定した。次に、表面プラズモン共鳴装置を用い、得られたペプチドとGOxとの親和性を調べた。その結果、いずれのペプチドともGOxに対し大きな親和性を示した。また、あるペプチドについて速度論的解析を行い、解離定数を決定したところ、6.4×10-5Mが得られた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] A. Yamamura, T. Sakaguchi, Y. Murakami, K. Yokoyama, E. Tamiya: "Purification and characterization of cold-active L-glutamate dehydrogenase independent of NAD(P) and oxygen"Journal of Biochemistry. 125. 760-769 (1999)