1999 Fiscal Year Annual Research Report
乳酸菌細胞膜上のビタミンB_<12>ターゲッティング部位の性質と分析への応用
Project/Area Number |
11132254
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐藤 一精 広島大学, 教育学部, 教授 (50023487)
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Keywords | 乳酸菌 / ビタミンB_<12> / バイオターゲティング |
Research Abstract |
最近抗悪性貧血因子のビタミンB_<12>が新たにいくつかの重要な生理作用を有することが明らかにされ、ヒトにとって不可欠なこのビタミンを分析する必要度が増してきており、より簡便な分析法を確立することの意義は大きい。そこで、本研究では菌体中の結合部位を用いたB_<12>自動分析システムの開発を試みるための基礎的データを得るために、推定されるLactobacillus helveticusの細胞膜上におけるビタミンB_<12>ターゲティング部位の存在とその性質について検討することとした。L.helveticusを接種して調製した発酵乳や発酵ホエイにおいてビタミンB_<12>含量が著減することを認めているが、一般乳酸菌用MRS培地が使用できれば他の不純物が影響せず菌体とB_<12>との直接的相互作用が調べられるのでその点を検討したところ、無菌濾過するなど培地の調製方法によっては発酵乳などの場合と同様に、ビタミンB_<12>含量の著減することが判明した。MRS培地や調製ホエイで培養した菌体とシアノB_<12>とインキュベーションして結合体としたものを、細胞破砕処理、プロテアーゼ処理して遊離のB_<12>体を部分精製して検討用試料とした。電気泳動と組み合わせたバイオオートグラフィーにおいて光照射したホエイでのサンプルとほぼ同様のヒドロキソB_<12>にかなり近い挙動をするB_<12>体が検出された。これが、ホエイの光照射した試料中のHPLCバイオオートグラフィーで保持時間42〜43分間に溶出される未知の挙動をするB_<12>体に対応し、菌体細胞のB_<12>結合部位との結合様式を知る上で重要な手がかりを与える可能性があるので現在更に検討中である。
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