1999 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞への標的指向能を付与した表面修飾脂質ベシクルの創製とその機能
Project/Area Number |
11132257
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
加藤 敬一 愛媛大学, 工学部, 助教授 (10117088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 洋司 愛媛大学, 医学部, 助手 (20226567)
立石 憲彦 愛媛大学, 医学部, 助手 (90236555)
菅原 卓也 愛媛大学, 農学部, 助手 (00263963)
佐藤 元通 愛媛大学, 医学部, 講師 (50162491)
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Keywords | 癌治療 / 癌細胞 / 遺伝子導入 / リポソーム / 脂質ベシクル / 海藻レクチン / IgM / プロテインA |
Research Abstract |
目的 癌細胞への"ミサイル装置"(リガンド)を装着した、人工細胞(脂質ベシクル)を創製し、DDS(Drug Delivery System)に利用することを目的とした。標的分子のリガンドとしては、大別して二種類のリガンド、すなわち、1)癌細胞の特異抗原としての糖鎖を認識するESA(トゲキリンサイ海藻由来のレクチン)、および2)癌細胞の特異抗原を認識する抗体(モデル抗体として抗IgM抗体を使用)、について研究を進める。 結果 まず、従来の二段階乳化法に代わり、新規な超音波処理法による簡便なベシクル調製法を開発した。このベシクルの粒径は約70〜120nmの範囲にあり、物質包括能はベシクル懸濁液中の全トレーサー濃度に対して、最大約8%の値となった。このベシクル膜のSpan80中に混入させたIsothiocyanic Acid Dodecyl Ester(IADE)とESAを共有結合させて、ESAをベシクル膜に活性劣化させることなく、かつ効率良くベシクルに固定化する事が出来た。このESA固定化ベシクルは癌細胞に対して特異的に結合すること、およびESAが癌細胞に対してアポトーシスを誘導することが示唆された。さらにESA、およびESA固定化ベシクルをラットに投与して検討した結果、ESA特異抗体が若干発現するものの、どのラットも体重減少も無く約5週間健康に生存し、現段階でのこのベシクルの安全性が確認された。次に、抗体のベシクル固定化については、プロテインAを媒介として、抗体のFabフラグメントを外方向に配向させて、固定化させることができた。またカチオンペプチド脂質(CPL)とIADEをSpan80中に混入させ、さらにそのIADEとプロテインAをアミド結合させた後に抗IgM抗体を固定化して、カチオン性イムノベシクルを調製した。このイムノベシクルが、IgMを産生するHB4C5に対し、標的的に結合し、ベシクル内に包括した遺伝子を効率良くHB4C5に導入出来た。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 加藤敬一: "W/O/Wエマルションを用いた血中抗体濃度の測定"ケミカルエンジニアリング. 44. 53-59 (1999)
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[Publications] K.Kato, T.Sugahara, S.Kawashima, Y.Hayashi, A.Yoshihiro and T.Sasaki: "Study of the specific binding between lipid vesicles and human-human hybridoma toward either DDS or gene transfection"Animal Cell Technology, Products from Cells, Cells as Products . Kluwer Academic Publishers. 429-431 (1999)
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[Publications] K.Kato, T.Sugahara, Y.Maruyama, N.Yoshimura, N.Tate-ishi, Y.Suzuki, A.kawakubo and T.Sasaki: "Study of DDS for a cancer therapy applying lipid vesicle immobilizing Eucheuma Serra Lectin"Animal Cell Technology, Products from Cells, Cells as Products . Kluwer Academic Publishers. 433-435 (1999)