1999 Fiscal Year Annual Research Report
自己集積化法によるマイクロデバイス上での生体分子アーキテクチャー構築
Project/Area Number |
11132262
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 正康 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (70226554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 種正 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 教授 (50126306)
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Keywords | バイオターゲティング / 抗体 / バイオセンサ / 免疫センサ / マイクロデバイス / ビオチン / アビジン / 表面プラズモン共鳴センサ |
Research Abstract |
バイオターゲッティングの究極は極めて微小な計測・治療デバイスを標的臓器へ選択的に送達することにある。本研究はバイオターゲッティング分子をマイクロデバイス表面に提示してデバイスに標的指向性を与えるために、特定のバイオターゲッティング分子が、ある配向性を持って、特定の微小表面に、自己集積化される生体分子アーキテクチャー構築技術を創生する。本研究の特徴はマイクロデバイスという極めてヘテロジニアスな微小構造体を生体分子アーキテクチャー構築の対象としていることで、特にデバイス表面の3次元構造を考慮した選択的分子構築は全く例のない独創的なものである。本研究は、デバイス上に、特定の抗体分子を固定化する微小パターンを順次形成していく「段階的ホトリソグラフィー技術」と、その特定の微小領域のみにある配向性を持って、自己集積的に抗体を固定化する「自己集積化法による抗体分子アーキテクチャー構築技術」とから構成される。 本年度は、アフィニティーリガンドを持ったアルカンチオールを利用した抗体の固定化方法を開発すると共に、厚膜ホトレジストを用いた微小3次元構造体の簡易構築法を確立した。段階的ホトリソグラフィーに対応した抗体固定化法では、厳しい環境条件下で抗体分子が変性しないような工夫が必要である。そこで2段階に分けて自己集積的に抗体の固定化を行うために、ビオチンとアビジン、互いに相補的なDNAの小配列など特定の親和性や結合能を有するリガンドを利用することにした。ここではまずビオチンとアビジンの親和性に着目し、アビジン標識アルカンチオールをあらかじめ金薄膜に結合させておき、そこへビオチン標識抗体を固定化させることに成功した。さらに厚膜タイプのフォトレジスト(NANO^<TM>XP SU-8)を用いて、これを何層か異なったマスクでパターニングすることにより3次元構造体を作製することにも成功した。
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[Publications] 鈴木正康: "SPR immunosensor integrated two miniature enzyme sensors"Sensors and Actuators B. 54. 176-181 (1999)
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[Publications] 鈴木正康: "集積化酵素センサを用いた乳酸発酵計測用オンラインモニタリングシステム"化学工学論文集. 25・2. 177-181 (1999)
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[Publications] 入部康敬: "集積化微小酵素センサ構築のための酸化酵素-ペルオキシダーゼ同時固定化電極の特性評価"電気学会論文誌E. 119-E・11. 593-597 (1999)
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[Publications] 鈴木正康: "Chemical cross-talk in flow-type integrated enzyme sensors"Sensors and Actuators B. (印刷中). (2000)