1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11133229
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田村 類 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (60207256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 行男 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (90109059)
山内 淳 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (10027071)
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Keywords | ニトロキシドラジカル / ニトロニルニトロキシド / 液晶 / 光学活性ラジカル / キラリティー / 双極子モーメント / 磁気モーメント / 常磁性 |
Research Abstract |
分子中に磁気モーメントをもつ光学活性な有機常磁性液晶は、分子が集合しドメイン構造を形成することにより、大きな磁気異方性を発現する可能性がある。さらに、双極子モーメント成分と磁気モーメント成分を同時に分子中にもつ、光学活性な有機常磁性液晶については、液晶界面において両モーメントがなんらかの相互作用を及ぼし合う可能性も考えられる。比較的粘性の低い有機常磁性液晶についてドメイン構造由来の上記二つの性質が実在するか否かを検証することを目的として、双極子モーメントと磁気モーメントを近傍にもつキラルなニトロキシドラジカル構造を常磁性成分とする、光学活性なラジカル液晶物質を設計した。液晶の側鎖部にキラルなラジカル構造を導入するよりも、コア部に導入した方が分子内の回転による両異方性の減少を防げることができると考え、合成法は煩雑となるが、双極子モーメントを分子長軸方向または分子長軸に対して垂直方向にもつ、すなわち正または負の誘電異方性を示すことが予想される分子の合成を検討した。まず、負の誘電異方性をもち、かつC2-対称性を示すニトロキシドラジカル構造をコア部に配した光学活性な化合物を、入手可能な光学活性ピロリジン誘導体を出発物質として、その立体配置とエナンチオマー純度を失うことなく合成することができた。この合成法には汎用性があることも明らかにした。なお、合成した化合物のラセミ体のあるものの安定結晶形態は、キラル結晶(ラセミ混合物)であり、光学分割が可能であることが示唆された。次に、正の誘電異方性を示す光学活性な液晶分子合成のために、常磁性成分として光学活性なニトロニルニトロキシドラジカル構造が必要となる。そのための合成中間体である光学活性な2,3-ジニトロ-2,3-ジメチルブタノールの合成法の確立を検討し、リパーゼによる速度論的光学分割、またはカンファン酸誘導体を用いたジアステレオマー法による光学分割が有効であることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] R. Tamura: "Preferential Enrichment and Crystal Structure"Molecular Crystal Liquid Crystal. (印刷中). (2000)
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[Publications] M. Iyoda: "1, 1-Bis (tetrathiatulvalenyl) ethylene A Unique Cross-Conjugated Dimeric tetrathiatulvatene"Tetrahedron Letters. 40巻. 2807-2810 (1999)
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[Publications] K. Kanemoto: "Electron-spin Dynamics of Polaronsin Highly Doped Polypyrroles"Physical Reviews. B61巻. 1075-1082 (2000)
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[Publications] T. Shibata: "Highly Stereoselective Synthesis of C_2-chiraland Meso Nitoroxides"Tetrahedron : Asymmetry. 11巻(印刷中). (2000)