1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11133256
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
山本 浩司 富山大学, 理学部, 教授 (80029438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 浩 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (20239073)
佐藤 正明 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (70128768)
樋口 弘行 富山大学, 理学部, 助教授 (00165094)
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Keywords | 縮合芳香族化合物 / 非平面型分子 / 歪み化合物 / 閉環ヘリセン / サーキュレン / ねじれパイ電子系化合物 |
Research Abstract |
ベンゼン環がドーナツ状につながった非平面型サーキュレンは、フラーレン類の部分構造となることから大変注目を集めている。ベンゼン環が7個つながってできる[7]サーキュレンは、ナノチューブなどの内孔の構成単位となるねじれ鞍型分子で、その合成や性質については既に報告した。本研究では、更に大きな非平面鞍型分子である[8]サーキュレンの構築に利用できる[7]サーキュレンの新簡易合成法の開発を行うと共に、この反応性や環反転障壁についても調べた。 3,6-ビスブロモメチルフェナンスレンと2,7-ビスメルカプトメチル-1,8-ジクロロナフタレンを炭酸セシウム存在下、高希釈条件でカップリングさせてジスルフィドに導く。これをジスルホニウム塩に変えた後、Stevens転位、酸化をへてジスルホキシドに導いた。次いで、これを減圧下熱分解(300℃)を行いシクロファジエンとした後、高速熱分解(800℃/0.01mm)により収率24%で[7]サーキュレンを得た。この[7]サーキュレンを臭化鉄存在下で臭素化するとモノブロモ[7]サーキュレンが収率85%で得られ、これをホルミル化、還元をへてヒドロキシメチル[7]サーキュレンに導いた。この分子には、ジアステレオトピックなメチレンプロトンが存在するため、この温度依存性を調べることから環反転のエネルギー障壁(9.8Kcal/mo1)の大きさを求めた。今後は、この合成手法を用いて[8]サーキュレンの合成を行う。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yamamoto, K. 他5名: "An Attempted Synthesis of 8-Shaped Circlulene : Synthesis and Characterization of [2,2](4,4')Biphenylo(3,11)dibenzo[c;l]chrysenophane"Bull. Chem. Soc. Jpn.. 73. 185-189 (2000)
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[Publications] Yamamoto, K. 他4名: "An Attempted Synthesis of [7][7] Circulene : Synthesis and Characterization of Triple-Layered [2,2] Phenanthreno[2,2]naphthalenophenanthrenophane"Bull. Chem. Soc. Jpn. 72. 2111-2114 (1999)
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[Publications] Yamamoto, K. 他4名: "Synthesis and Properties of Orientational Isomers of Hybridized Dihexylbithiophene-Octaethylporphyrin Connected with 1,3-Butadiyne Linkages"Tetrahedron Letters. 40. 9091-9095 (1999)
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[Publications] Yamamoto, K. 他3名: "Synthesis of Novel Cyclotriveratrylenophane Capsale and Their Supramolecular Complexes of Fullerenes"Chem. Lett.. 431-432 (1999)
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[Publications] Yamamoto, K. 他4名: "Synthesis and Characterisation of [2,2](5,13) Dibenzo[c;l] chrysenophane"J. Chem. Research(S). 12-14 (1999)