1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11136201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 貴義 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (60270790)
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Keywords | 単成分導電体 / 単分子膜 / LB膜 / 自己組織化膜 / AFM / QCM / IRRAS |
Research Abstract |
1.単成分導電体のLB法による超薄膜形成 単成分導電体の前駆体である(C_<10>H_<21>)_3NCH_3[Au(tmdt)_2]を合成し,LB法を用いて超薄膜化した。高度に秩序化した膜が固定基板上に形成された。中心金属としては比較的空気による酸化を受けにくい金を用いたが、製膜中に酸化が進行し、中性の[Au(tmdt)_2]と思われる化学種からなる膜が形成した。膜形成後、電気化学的酸化により膜に導電性を付与することが可能であった。さらに、メタノールで洗浄することにより、膜中のアルキルアンモニウム部位を付与することが明らかとなり、単成分導電体LB膜形成の足がかりが得られた。 2.超薄膜系の構造および電子物性評価 薄膜の構造評価は、偏光UV-Vis-NIR、透過IRおよびIR-RASを用いて行った。膜の酸化状態を検討したところ、上述のようにフッ化カルシウム結晶上では、LB膜の形成過程で、膜が中性状態に酸化されていることが判明したが、金蒸着膜表面に累積を行った場合、monovalent塩のLB膜が形成していることがわかった。マイカ基板上に1層累積した膜は、1ミクロン程度のドメイン構造を有しており、このようなドメイン構造が膜の導電性に影響を与えているものと示唆される。 3.無線―有機ヘテロ界面における新規d-π複合電子系の構築 新規d-π複合電子系を、無機―有機ヘテロ界面において構築した。TTF系ジチオレートアニオンを用い、金電極上に酸化的に薄膜を構築した。電極部位を規制することで、膜の形成および酸化状態の制御が可能である。昨年度に引き続き、膜の形成及びその酸化状態について、IR-RASを用いての評価を行った。また、OCMを用いた膜の形成過程の検討を開始した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Fujinawa: "Unusual Electrical Properties of Neutral Mixed Stack Charge-Transfer Cmplexes of DAP-BRL(DAP=1,6-Diaminopyrene, BRL=p-Bromanil)"Bull.Chem.Soc.Jpn.. 72. 21-26 (1999)
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[Publications] N.Robertson: "Preparation and Structure of [Na.15-crown-5][Ni(mnt)_2]H_2O : the First [Ni(mnt)_2]^- Complex Containing a Supramolecular Counterion"J.Chem.Res.. 54-55 (1999)
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[Publications] K.Tamura: "A Clay-Metal Complex Ultrathin Film as Prepared by the Langmuir-Blodgett Technique"Chem.Lett.. 121-122 (1999)
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[Publications] N.Robertson: "Preparation, Structure and Properties of [Na.cis-anti-cis-dicyclohexyl-18-crown-6][Ni(dmit)_2]_4・2Me_2CO"J.Mater.Chem. 9. 1233-1236 (1999)
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[Publications] T.Akutagawa: "Ion Cavities within NH_4^+(crown ether)[Ni(dmit)_2] Salts"Synthetic Metals. 102. 1747-1748 (1999)