1999 Fiscal Year Annual Research Report
金属錯体を認識部位に用いる界面集積分子のセンシング機能
Project/Area Number |
11136204
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
早下 隆士 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70183564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西沢 精一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40281969)
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Keywords | クラウンエーテル / 金属イオンプローブ / 蛍光分析 / 第2高調波分析 / 液液界面 / 分子認識 |
Research Abstract |
本研究では,界面での錯形成を利用した分子認識を行うための基礎研究として,まず錯形成部位にクラウンエーテルを用いた蛍光および比色プローブを合成し,その機能解析を行なった。まず水中においてホスト-ゲスト相互作用を促進する疎水環境を有するシクロデキストリンを利用することにより,これに包接されたクラウンエーテル型蛍光プローブが水中において高度にアルカリ金属イオンを認識できる系を開発した。ピレン官能基を有するクラウンエーテル型プローブ/γ-シクロデキストリン複合体を用いて,アルカリ金属イオン認識能を評価した。蛍光分光法により解析した結果,その蛍光スペクトルは,Na^+塩の添加により470nm付近に新たな発光を示すことを見出した。イオン半径とクラウンエーテルの空孔サイズから,長波長側の発光は,金属イオンとの2:1錯体形成によるピレン二量体の蛍光であることがわかった。この系を用いて,水中でのK^+の高感度センシング達成した。次に第二高調波発生 (SHG) 分光法を用いて吸着分子の電子状態や配向性,密度に関する解析を行なうことで、液液界面におけるクラウンエーテル型アゾプローブのアルカリ金属イオンを設定し、SHG分光計測を行なったところ,600nm付近ではSHGが全く観測されないのに対し,600nm以下では吸着分子の吸収帯との共鳴によるSHG強度の増大が観測された。これによって,界面における選択性は,液液抽出選択性と一致することを明らかにすると共に,入射偏光依存性の解析から界面での認識に基づくプローブの配向変化を直接観察することに成功した。
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[Publications] M. M. Murad, T. Hayashita, S. Nishizawa, N. Teramae, et al.: "Efficient Ion-pair Extraction of Potassium Chloride from Aqueous Phase into Nitrobenzene Containing Diphenylthiourea as Anion Binder"Analytical Science. 15. 1185-1189 (1999)
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[Publications] A. Yamauchi, T. Hayashita, S. Nishizawa, N. Teramae et al.: "Benzo-15-crown-5 Flioroionophore/γ-Cyclodextrin Complex with Remarkably High Potassium Ion Sensitivity and Selectivity in Water"Journal of American Chemical Society. 121. 2319-2320 (1999)
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[Publications] T. Hayashita, T. Higuchi, H. Sawano, R. A. Bartsch et al.: "Molecular Design of Lipophilic Disalicylic Acid Compounds with Varying Spacers for Selective Lead(II) Separation"Talanta. ( in press ). (2000)