1999 Fiscal Year Annual Research Report
π共役集積構造を利用したプロトン共役多電子系の構築
Project/Area Number |
11136245
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山元 公寿 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (80220458)
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Keywords | π共役高分子 / 酸素4電子還元 / 多電子過程 / ポルフィリン / 多核錯体 |
Research Abstract |
1. プロトン共役型多電子系の解析 大気中性下でもμ-ジオキソ集積構造への連続的な多電子移動を生起させるため、自己ドープ型の共役高分子を合成した。酸化還元電位のpH応答が、Nernstの式(60mV/pH)に従うことから、ポリマー中の2ユニットに対し1電子1プロトンの移動を伴う可逆なレドックス反応であることがわかる。従来の共役高分子に較べ自己ドープ型のポリアニリン誘導体は幅広いpH領域(pH=0〜7)で安定なプロトン共役の酸化還元応答を示す事が明かとなった。 2. プロトン共役高分子錯体集積場の構築 イオン対で複核構造を形成するコバルトポルフィリン高核錯体をPCAnに集積した高分子錯体を用い、pH=0の酸性水溶液中で酸素還元の回転ボルタメトリーを実施した。O_2下で大きな触媒電流が観測され、Kouteckey-Levich Plotsにより酸素還元の移動電子数4を決定した。4電子酸素還元はCo複核ポルフィリン錯体と酸素分子がμオキソ錯体(Co-OO-Co)を形成し進行する。Co複核ポルフィリン錯体単独では上下のコバルト金属(II価)からの2電子移動に留まり2電子還元生成物の過酸化水素が生成する。Π共役高分子Co複核ポルフィリン集積錯体では、コバルト錯体からの2電子移動に続きレドックス共役高分子から、連続的に電子がコバルト金属(III価)へ注入されて酸素4電子還元が進行すると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K. Yamamoto et al.: "Molecular Structure of a m-Oxo Chromium-Iron Complex: Rare Example of a Crystallographically Characterized m-Oxo Heterometallic porphyrin"Bull. Chem. Soc. Jpn.,. 5. 1784-1789 (1999)
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[Publications] K. Yamamoto et al.: "Multi-electron Transfer and Catalytic Mechanism in Oxidative Plymerzation"Bio in organic Catalysis, ed by J. Reedijk, , Marcel Dekker. Chapt. 15. 535-562 (1999)