1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11138211
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 稔 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20311558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 洋志 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00241555)
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Keywords | ヘリケース / ジーンターゲティング / ノックアウトマウス / 組み換え / 修復 |
Research Abstract |
ウェルナー症候群は、遺伝性早老であるとともにその特徴の一つとして悪性腫瘍の頻度が高く、1996年原因遺伝子がDNAヘリケースをコードしている遺伝子であることが明らかにされたが、生体内における機能は未だ明らかではない。我々はウェルナーヘリケースの機能異常と老化・発癌機構との関連を明らかにするため、ジーンターゲッティング法によりヒトウェルナー患者で認められたのと同様の変異を持つノックアウトマウスを樹立し、このマウスを個体及び細胞レベルで解析を行っており、以下に要約する。 【個体レベルの解析】 1.ホモ接合型変異個体は、ほぼメンデル則に従い正常に生まれてくる。 2.40週までの各臓器・組織において、ホモ接合型変異個体では腫瘍形成は観察されなかった。 3.経過観察で100週齢に達した群もあるが、ホモ接合型変異個体の寿命については、野生型に比べ特に変化は認められなかった。 4.13・26・40週において野生型及びホモ接合型の個体における組織化学的解析を行った結果、各臓器における変化はマイルドなものが多かった。比較的顕著な変化として、ホモ個体の雄の唾液腺の上皮分泌顆粒の減少と、雌の卵巣萎縮が認められたが、精巣においては特に異常を認めなかった。 【細胞レベルの解析】 1.胎仔より初代線維芽培養細胞(MEF:Mouse embryonic fibroblasts)を採取し、細胞の増殖活性を野生型とヘテロ、ホモ接合型胎仔由来の細胞間で比較した結果、ホモ接合型MEFは、野生型に対して約60%の増殖にとどまり、ヘテロ個体由来の細胞ではほぼその中間のgrowth activityを示した。 2.MEFを材料として姉妹染色分体交換(Sister chromatid exchange:SCE)検出の条件検討を行い、ギムザ染色によって光顕で撮影する方法が整い組換え修復異常の解析可能となった。 今後も継続して詳細な解析が必要である。
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[Publications] Sugwara,M.,et al.: "Structures of mouse Rep-8 cDNA and genomic clones"Gene. 227(1). 39-47 (1999)
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[Publications] Sugwara,M.,et al.: "Embryonic stem cells"Blood,Immunity,Cancer.(血液・免疫・腫瘍). 4(3). 92-102 (1999)
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[Publications] Takano,H.,et al.: "Normal development of mice and unimpaired cell adhesion/cell motility/actin-based cytoskeleton without compensatory up-regulation of ezrin or redixin in moesin gene knockout"J.Biol.Chem.. 274(4). 2315-2321 (1999)
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[Publications] Takano,H.,et al.: "Impairment of antigen-pressing cell function in mice lacking expression of OX40 ligand"J.Exp.Med.. 191(2). 365-374 (2000)
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[Publications] Takano,H.,et al.: "Mmh/Oggl gene in activation results in accumulation of 8-OH-G in mice"Proc.Natl.Acad.Sci.USA.. (in press). (2000)