1999 Fiscal Year Annual Research Report
Retがん遺伝子誘発メラノーマの発がん感受性を決定する遺伝子要因
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11138225
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 治彦 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90283431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 昌志 名古屋大学, 医学部, 助手 (10281073)
中島 泉 名古屋大学, 医学部, 教授 (40022826)
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Keywords | Retがん遺伝子 / メラノーマ / トランスジェニックマウス / 発がん感受性 / 遺伝子型解析 |
Research Abstract |
1.C57BL/6を遺伝背景とするRetがん遺伝子トランスジェニックマウス(N3)、(BALB/cxN3)マウス(F1)、{(BALB/cxN3)xN3}マウス(F2)を得た。メラノーマの発生率は、N3では6ヶ月齢で約90%、F1では1年齢において10%以下、F2では1年齢で50%弱であった。 2.F1マウスでは、N3マウスに比べメラノーマの発症率が著明に低下し、その発症時期が大幅に遅延したが、F2マウスでは、発症時期はN3とF1の中間をとる形で広範囲に分布した。 3.F2マウスにおける毛色の違いはメラノーマの発症率には影響を与えなかった。 4.メラノーマにおけるRetトランスジーンの発現は、メラノーマの発症時期が遅いものほど少ない傾向が認められたが、腫瘍サイズとRetの発現量との直接的な相関は認められなかった。 5.F2マウスのゲノムDNAを、269のマイクロサテライトマーカーについてBALB/c由来遺伝子の有無を解析した。F2マウス195匹を生後140日以前に腫瘍を発生したもの、生後140から360日の間に腫瘍を発生したもの、生後360日まで腫瘍を発生しなかったもの、の3群にわけ、DNA型とのリンケージ解析を行った結果、3箇所の染色体領域に有意な相関が認められた。1番染色体のD1Mit66近傍(9cM)には、腫瘍の発生率、腫瘍発生時期、腫瘍サイズのすべてを規定する遺伝子が存在し、1番染色体のD1Mit494から65cM以内の領域は、メラノーマの発症時期に有意に相関した。これらの領域は、それぞれmelanoma modifier 1(Melm1)、Melm2と命名された。染色体11番のD11Mit231近傍(1,7cM)のMelm3は、腫瘍の発症時期に相関した。今後、我々が同定した遺伝子領域にどのような分子をコードする遺伝子があるのか、さらなる検討が必要と考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kato, Masashi: "Ultra violet light indeces redox reaction-mediated dimerization and superactivation of oncogenic ret tyrosine kinases"Molecullar Biology of the Cell. 11. 93-103 (2000)
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[Publications] Kato, Masashi: "Linkage between melanocytic tumor development and early burst of Ret protein expression for tolerence induction in metallohionein I/ret transgenic mouse lines"Oncogene. 18. 837-842 (1999)
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[Publications] Kato, Masashi: "Transgenic mouse model for skin malignant melanoma"Oncogene. 17. 1885-1888 (1998)