1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11138252
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
森田 隆 大阪市立大学, 医学部, 教授 (70150349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 佳世 大阪市立大学, 医学部, 助手 (30311921)
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Keywords | 相同組換え / DNA修復 / Rad51遺伝子 / Dmc1遺伝子 / がん抑制遺伝子 / p53 / 細胞周期チェックポイント / 減数分裂 |
Research Abstract |
本研究の目的は、放射線や化学物質によるDNA損傷がもたらす発がん過程において、p53タンパクとDNA二重鎖切断の修復をおこなうRAD51タンパクや減数分裂特異的組換えタンパクDMC1タンパクがどのように細胞周期を停止させDNAを修復するか、あるいはアポートシスを導き、がんの発生を抑制しているかを明らかにすることである。我々は、DMC1タンパクが、がん抑制タンパクp53と結合していることを明らかにした。さらにp53タンパクのDNA結合部位に対してDMC1タンパクのC末端が結合することを示した。この結合はゲルシフトアッセイにより、DMC1タンパクのDNA結合性を阻害しないことから、DMC1の対合や組換え活性へのネガティブな影響は少ないと考えられる。また、p53タンパクとDMC1タンパクの相互作用がin vivoにおいて、どのような機能をもつか明らかにするためにDmc1-p53ダブルノックアウトマウスを作製した。その結果、Dmc1遺伝子欠損による対合, 減数分裂停止とアポトーシスに顕著な変化はみられなかった。このことから、対合不全に伴う減数分裂停止細胞のアポトーシスには別の経路が存在すると考えられる。しかし、アポトーシス過程で、核は凝集しているがTUNEL法でネガティブな核も多く、アポトーシスが遅延していると考えられる細胞が観察されたことからp53タンパクがアポトーシスの進行の促進に関与している可能性が示唆され、今後の詳細な検討が必要である。
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[Publications] Tarsounas, M. et al.: "RAD51 and DMC1 proteins co-localize on the mouse meiotic chromosome cores and interact with synaptonemal complex proteins"J. Cell Biol.. 147. 207-219 (1999)
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[Publications] Kondoh, G.et al.: "Easy assessment of ES cell clone potency for chimeric development and germ-line competency by an optimized agg regation method"J.Biochem. Biophys. Methods.. 39. 137-142 (1999)
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[Publications] Moens, PB, Tarsounas. Et al.: "The association of ATR protein with mouse meiotic chromosome cores"Chromosoma. 108. 95-102 (1999)