1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11140280
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Research Institution | Kitasato Institute |
Principal Investigator |
小宮山 寛機 社団法人 北里研究所, 基礎研究所, 部長 (00106676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深海 明子 社団法人 北里研究所, 基礎研究所, 研究員 (60300745)
林 正彦 社団法人 北里研究所, 基礎研究所, 室長 (20164965)
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Keywords | 細胞接着阻害 / macrosphelide / 血管新生阻害 / Str.TI / B16 / BL6 melanoma / 肺転移 / SLe^x / E-selectin / VEGF |
Research Abstract |
癌転移には標的組織の血管内皮細胞と癌細胞との細胞接着因子あるいは転移巣での新生血管等が重要な役割を果たしている。我々は土壌微生物培養液より細胞接着を特異的に阻害する接着阻害物質macrosphelide A (MSA)を単離した。一方、新生血管形成阻害を指標とした血管新生阻害物質の探索により、staurosporine-thiocarbonylimidazole誘導体(Str.TI)にVEGF阻害に基づく強力な血管新生阻害作用を見出した。本研究ではこれらの化合物の癌転移阻害機序を解明すると共に動物癌を用いて臨床応用への可能性を検討した。 先ず細胞接着因子の解析を行った結果、LPS活性化4時間後のヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)へのB16/BL6細胞の接着はMSA及びSLe^x抗体処理により有意に抑制された。しかしながら、ICAM-1抗体、LFA-1抗体処理では抑制されず、また、MSAとSLe^x抗体の併用処理による効果はみられなかった。B16/BL6細胞のマウス肺転移モデルにおいて、隔日でMSAを5-50mg/kg腹腔内投与すると、体重減少を示すことなく肺への転移結節数は用量依存的に抑制された。Str.TIはdosal air sack法による背部皮下での癌性血管新生を抑制し、さらに転移モデルにおいてもStr.TI 10-100mg/kgの投与において用量依存的な転移結節数の抑制を示した。次に、Str.TI 100mg/kgとMSA 50mg/kgを併用した結果、B16/BL細胞移植14日目における転移結節数は90%以上抑制され、著しい転移抑制効果が認められた。 MSAの作用機序はB16/BL6メラノーマ細胞上に存在するSLe^xとHUVEC上に発現したELAM-1との結合阻害による細胞接着阻害であり、一方、Str.TIの血管新生阻害作用はVEGF阻害による血管内皮細胞の増殖阻害であった。細胞接着阻害物質MSAと血管新生阻害物質Str.TIとの併用により肺転移が顕著に抑制されたことは、これら化合物が有用な医薬品素材となる事を示唆すると共に血管新生阻害剤と細胞接着阻害剤との併用療法という新たな治療概念を提示したと思われる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K. Komiyama et al.: "Reversal of multidrug resistance by kopsiflorine isolated from Kopsi dasyrachis"Planta. Medica.. 65. 307-310 (1999)
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[Publications] K. Komiyama et al.: "New member of macrosphelide from microsphaeropsis sp. FO-5050 IV"J. Antibiotics.. 52. 501-504 (1999)
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[Publications] K. Komiyama et al.: "Three new alkaloids, convolutamines F-G, and convolutamydine E, from the floridian marine Bryzo an Amathia convoluta"Collect. Czech. Chem. Commun.. 64. 1-7 (1999)