1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11145235
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金子 章道 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00051491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 周 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10296551)
金田 誠 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (30214480)
渡辺 修一 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (60138120)
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Keywords | アマクリン細胞 / 活動電位 / Na電流 / K電流 / HPC-1 / GABA / 網膜 / ラット |
Research Abstract |
網膜は光受容器であるとともに、視細胞が捕らえた視覚情報から像の形、色、動きなどの情報を階層的に処理して抽出する神経組織である。最近の研究によって、視細胞→双極細胞→神経節細胞へとつながる縦の回路については理解が進んだ。しかし、アマクリン細胞など横の回路の動作に関しては不明な点が多い。そこで本研究ではアマクリン細胞の機能に注目し、単離培養したアマクリン細胞の脱分極性電流注入による膜電位応答と活動電位発生の特性を調べ、そのメカニズムとなる電流を解析した。また、細胞体と樹状突起に同時パッチクランプ法を行い、活動電位がどのように樹状突起に伝わるかを記録した。ラット新生仔(出生後2日以内)の網膜からアマクリン細胞を単離培養し、倒立顕微鏡下で、ホールセルパッチクランプ法を適用し、膜電位および電流記録を行った。アマクリン細胞の同定はこの細胞に特異的に発現しているHPC-1/Syntaxin に対する抗体と、アマクリン細胞が伝達物質としてもつGABA に対する抗体の二重免疫染色により行った。その結果、アマクリン細胞は一過性のNa^+電流の他に持続性Na^+電流と、L- およびN- 型のCa^<2+>電流を持つこと、これらの持続性電流がシナプス入力を増強していることが見出された。 また、活動電位の発生部位と伝導様式を明らかにするために、細胞体と樹状突起への同時ホールセルパッチクランプ記録を行い電位変化を記録した。脱分極性の電流注入を細胞体もしくは樹状突起に対して行ったところ、活動電位が細胞体でも樹状突起でも記録された。また、細胞体で記録された活動電位の波形で電位固定し、活動電位をシミュレートし樹状突起で記録される活動電位のTTX感受性を調べたところ、TTXによって樹状突起で記録される活動電位が小さくなった。このことから、活動電位の樹状突起への広がりには、TTX感受性のI_<Nap>が関与しているものと考えられた。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Tsunenari T: "Activation by bitter substances of a cationic channel in membrane patches excised from the bullfrog taste receptor cell"J Physiol. 519. 397-404 (1999)
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[Publications] Kaneko A: "Retinal mechanism of the lateral inhibition and directional selectivity: An old question asked again now"FAOPS Newsletter. 8. 3-5 (1999)
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[Publications] Watanabe S-I: "Tetrodotoxin-sensitive persistent current boosts the depolarization of retinal amacrine cells in goldfish"Neurosci Lett. 278. 97-100 (2000)
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[Publications] Kaneko A: "A novel mechanism of bitter taste transduction"Korean J Physiol Pharmacol. 3. 455-459 (1999)
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[Publications] Kaneda M: "Modulation by Zn^<2+> of GABA responses in bipolar cells of the mouse retina"Visual Neurosci. 17. 1-9 (2000)
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[Publications] 倉橋 隆: "「香り」の受け方が体内ホルモンの変動によって影響を受ける: アドレナリンを一例にその分子機構と生理学的意味"蛋白質核酸酵素. 44. 2591-2595 (1999)
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[Publications] 渡辺 修一: "アマクリン細胞 機能理解の現状と今後"神経眼科. 16・3. 292-295 (1999)
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[Publications] 竹内 裕子: "ウシガエルの味蕾を構成する細胞の形態と電気生理学的特徴"日本味と匂学会誌. 6. 523-524 (1999)
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[Publications] Kaneko A: "The Retinal Basis of Vision"Elsevier Science, Amsterdam. 290 (1999)