1999 Fiscal Year Annual Research Report
動的リンキングを基礎とした認知記憶生成の理論的研究
Project/Area Number |
11145237
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
山口 陽子 東京電機大学, 理工学部・情報化学科, 教授 (00158122)
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Keywords | 海馬 / 記憶 / 周期振動 / 神経回路 |
Research Abstract |
ヒト大脳海馬の記憶への寄与としては、陳述記憶、特に文脈性の高いエピソード記憶に関わること、さらに時問的には、短期と長期に間をつなぐ、中期(近時)記憶を担うと考えられている。一方でラットの行動と電気生理の実験結果は、海馬の空間認知としての働きを神経細胞レベルで詳細に解明してきたが、それらの知見はヒトの記憶の解明には一見関係がつかなかった。山口らは、ラット空間探索時の海馬場所ユニットのシータリズム依存的な活動に注目し解析することによって、海馬における記憶の生成と貯蔵に関する作業仮説を提出した。この作業仮説に基づいて、海馬における記憶の貯蔵と想起について、いくつかの場合について理論モデルで解析した。 これらの結果より、海馬でシータリズムにコードされた時系列情報は、相互の相関によっていに分離されたり結合されたりして、記憶を区別したり、またより高次の情報統合を可能にする。ここでは、時間空間パターンとしての活動が海馬内に生成されて、それが結合の変化に以降するところを主に解析したが、その結果は海馬の機能としては近時記憶に対する神経機構の提案になる。また時系列と空間記憶とがつながったという意味で、海馬の機能を統一的に探る意味でも興味深い。新たな経験の最中に、海馬で生成された集合的な神経活動が新皮質に出て言ってどのような働きをするかについては、認知記憶の働きとして、さらに検討すべき重要な問題である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 山口陽子, BL McNaughter: "ラット空間探索時海馬シータリズムの位相コーディング"電子技術情報通信学会技術研究報告NC研究会. NC98. 15-22 (1999)
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[Publications] 羽賀憲利, 山口陽子: "海馬位相歳差モデルを用いた記憶の記銘と想起"電子技術情報通信学会技術研究報告NC研究会. NC99. 51-58 (2000)
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[Publications] 我妻広明, 山口陽子: "海馬シータ位相コードによる認知他図生成のモデル"電子技術情報通信学会技術研究報告NC研究会. NC99. 43-50 (2000)
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[Publications] H. Wagatsuma & Y. Yamaguchi: "A Neural Network Model Self-organizing a Cognitive Map"IEEE SMC' 99. TP03-1. (1999)
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[Publications] Y. Yamaguchi: "Model Analyses of the Wave Propigation, the Auditory Cortex"Proceeding of the 3rd International Workshop on Biosignal Interpretation. 202-205 (1999)
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[Publications] ハーマン・ハーケン著 奈良・山口訳: "脳機能の原理を探る"Springer Verlag Tokyo. 413 (1999)
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[Publications] R. Poznanski ed.: "Biophysical Neural Networks"Mary Ann Liebert, Inc. NewYork(未定). (2000)