1999 Fiscal Year Annual Research Report
新規抗マラリア剤の開発を目指すフェブリフジン類アルカロイドの合成研究
Project/Area Number |
11147225
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
畑山 範 長崎大学, 薬学部, 教授 (20143000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩渕 好治 長崎大学, 薬学部, 助教授 (20211766)
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Keywords | マラリア / 抗マラリア活性 / フェブリフジン / アルカロイド / ニトロン / 1,3-双極付加 / コンバージェント合成 / エナンチオ選択的合成 |
Research Abstract |
最近、漢薬・常山の主要植物ジョウザンアジサイに含まれるフェブリフジンから導かれる誘導体がマラリア原虫に対して高い選択性をもって抗マラリア活性を示すことが明らかとされ、フェブリフジンが抗マラリア剤開発のリードとしてあらためて注目を集めている。この様な背景をうけて、我々は、フェブリフジンはもとより多様な類縁体の量的供給を可能にする実用的合成法を確立することを目的とし、本課題研究を行った。その結果、フェブリフジンを三つのパーツに分けて合成し、それらをカップリングさせる三成分連結法に基づくコンバージェント合成法を開発し、フェブリフジンのエナンチオ選択的合成に成功した。すなわち、(S)-4-4(t-ブチルジフェニルシリル)オキシ-5-ヘキセニルメシラートをオゾン分解後アリルアルコール共存下ヒドロキシルアミン塩酸塩で処理すると、ニトロンの形成と1,3-双極付加が一挙に進行し付加体が収率良く生成することを見いだし、このものに数段階を経て4-キナゾリノールを連結させ(+)-フェブリフジンの合成に成功した。さらに、上記合成法に従い4種の誘導体を合成し、抗マラリア活性試験に供した。このことによって、本合成法が、誘導体合成にも柔軟な合成法であることを示すことができた。
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