1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11147234
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Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
たか橋 良和 財団法人 微生物化学研究会, 化学部, 部長 (10163297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯沼 宗和 岐阜県保健環境研究所, 所長 (70082998)
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Keywords | 抗生物質 / 抗マラリア剤 / エコシステム / ポリエーテル / アミチアマイシン |
Research Abstract |
人の感染治療に用いられていない抗生物質の中から、アミノグリコシド、テトロン酸、ペプチド、異常アミノ酸、ポリエーテル等の既存の抗生物質に分類される物質群と新規骨格を持つ物質群を選択しその抗マラリア活性を試験した。誘導体を含む35検体中、5検体が著効、6検体が有効であった(岡山大・綿矢ら)。著効を示した物質はポリエーテル系抗生物質群と環状チアゾリルペプチド系抗生物質であるアミチアマイシンAであった。ポリエーテル系抗生物質群の2剤はマウスを用いた実験系においてもその有効性が確認され、一般的なポリエーテル系抗生物質群の用途であるニワトリのコクシジウム症の治療にも用いられていないことから、抗マラリア剤としての用途特許出願の準備中である。また、本2剤に関してはその水溶性向上を目指した誘導体の合成にも着手している。アミチアマイシンAはきわめて高い選択性(>3,000)を示したが、その溶解性に問題があり、in vivoの有効性は確認できなかった。現在、溶解性を改善すべくその誘導体の合成を行っており、合成の完了している6検体中、2検体が著効、4検体が有効の結果を得ている。さらにいくつかの誘導体の合成を続行しており、in vivoでの有効性を確認する予定である。 以上の成果はエコシステムの見地から微生物由来物質を研究対象とすることの妥当性を支持するものである。また、微生物を利用した大量生産の可能性等を加味するとその実用化に向けてのメリットは大きい。
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