1999 Fiscal Year Annual Research Report
可変型遺伝子トラップによる挿入突然変異マウス作製とそのカタログ化
Project/Area Number |
11149221
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
荒木 喜美 熊本大学, 医学部, 助手 (90211705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 正健 熊本大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (80271609)
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Keywords | ES細胞 / 遺伝子トラップ / 挿入変異マウス / Cre / loxシステム / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
現在のトラップベクターpU-Hachiをさらに改良するため、loxPとは組換えを起こさないペーサー部分に変異を持つlox配列も併用した新しいトラップベクターpU-17を完成した。このベクターではレポーター遺伝子入れ替えの際、5'側の部分との融合遺伝子を作ることも、3'側の部分と融合遺伝子を作ることも出来、pU-Hachiより広い応用範囲を持つ。 pU-Hachiを用いて109のトラップクローンを単離した。サザンブロットでトラップベクターの挿入パターンを調べたところ、約7割が1コピーのみの挿入であり、この1コピーのみ挿入のクローンについて、未分化及び胚様体でのβ-geo遺伝子の発現を調べ、パターンにより分類を行った。その結果、ほぼ全てのクローンでいずれかの時期に染色がみられ、このベクターでのトラップ効率は大変良いことがわかった。約5割のクローンは分化後に発現の上昇を示し、分化後に発現が下降するものは非常に少なかった。pU-17では、現在までに89クローンを樹立した。今後、これらのクローンの解析を同様にして進めていく予定である。 次に、puU-Hachiトラップクローンを用いての遺伝子置換の効率の検討を行ったところ、6-8割にも達する高い効率で置換に成功した。さらに、置換された遺伝子がもとのレポーター遺伝子と同様の発現を示すことを、胚様体で特異的発現パターンを示すクローンを用いて証明した。 pU-Hachiなどで得られたクローンから現在までに26の変異マウスラインを樹立した。それぞれのラインでのX-Gal染色パターン解析も行っているが、胎生期では全身が、成体では脳と心臓(特に心房)が染色されるものが多いようである。現在集めたデータをHTML文書及びJPEG形式の写真として、ネットスケープ等のブラウザソフトで見れる形に編集している所である。
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[Publications] Oike, Y., et al.: "Truncated CBP protein leads to classical Rubinstein-Taybi syndrome phenotypes in mice: Implication dominant negative mechanism"Human Mol. Genet.. 8. 387-396 (1999)
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[Publications] Oike, Y., et al.: "Mice homozygous for a truncated form of a CREB-binding protein (CBP) exhibit defects in hematopolesis and vasculo-angiogenesis."Blood. 93. 2771-2779 (1999)
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[Publications] Araki, K., et al.: "Exchangeable gene trap using the Cre/mutated lox system"Cell. Mol. Biol.. 45. 737-750 (1999)
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[Publications] Imaizumi, T., et al.: "Mutant mice lacking CrK-II caused by gene trap insertional mutagenesis : CrK-II is not essential for embryonic development"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 266. 569-574 (1999)