1999 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物における葉緑体RNAポリメラーゼシグマ因子の研究
Project/Area Number |
11151206
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 寛 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (60222113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 秀夫 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (90013333)
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Keywords | RNA polymerase / chloroplast / plastid / sigma factor / GFP / Arabidopsis / T-DNA / transcription |
Research Abstract |
高等植物において、核にコードされている葉緑体RNAポリメラーゼシグマ因子遺伝子群の実体を解明し、核による葉緑体転写系の支配メカニズム明らかにすることを目的として解析を行った。本年度の研究では先ず、シロイヌナズナゲノム計画の進展により第6のシグマ因子遺伝子を見出したため、これをsigFと命名して解析を行った。予想される遺伝子産物のN-末端領域には葉緑体局在シグナルと考えられる配列が存在し、GFP融合遺伝子の一過的導入発現により、葉緑体で機能する蛋白質であると結論した。また、sigAおよびsigB遺伝子の葉緑体局在配列領域について、それぞれGFP遺伝子と融合させ、さらにCaMV35Sプロモーターの下流に連結してシロイヌナズナに導入した形質転換植物を構築した。これらの植物体では、光合成組織での葉緑体へのGFP局在が観察される他、根やトライコームなどの非光合成組織の色素体にも強い蛍光が見られ、このような組織における色素体観察ツールとしても有用であることが示された。この他、三井業際の柴田博士らとの共同研究により、シロイヌナズナのT-DNA tagging lineよりsigB遺伝子破壊株の同定に成功した。これは、植物体の色調が黄化していることから単離されたものであり、分化の過程で葉緑体が小さい状態のまま留まる。この株ではT-DNAがsigB遺伝子の保存領域3に挿入されていることが判明し、相補実験によりsigB変異による表現型であることを確定した。sigB遺伝子が葉緑体遺伝子発現の制御因子と考えられることから、sigB遺伝子欠損により影響を受ける遺伝子の特定を進めている。さらに現在かずさDNA研究所らにより構築されつつあるTagging lineについて遺伝子破壊株の検索を進め、現在までにsigD,sigE破壊株の候補株を特定し、T-DNA挿入位置の解析を行っている。
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Research Products
(1 results)