1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11151222
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
鹿内 利治 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (70273852)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 隆 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (80180826)
|
Keywords | 葉緑体 / ATP依存的プロテアーゼ / 遺伝子破壊 / タバコ |
Research Abstract |
これまでにタバコを用いた葉緑体形質転換により、原核生物型のATP依存的プロテアーゼの活性サブユニットをコードするclpPが、葉緑体分化の様々な時期に重要な機能を果たすことを明らかにしてきた。またclpPは細胞機能に必須で、完全な破壊は不可能であった。今年度は、光ピンセットによる葉緑体の分離を使って、葉緑体レベルでの表現型を葉緑体ゲノム組成との相関を単一葉緑体レベルで調べることを試みた。葉緑体の分離系は確立されたものの、単一葉緑体のゲノムの組成を定量的に解析することは困難であった。 またclpPのコンディショナルな破壊系を確立するステップとして、clpP遺伝子の核ゲノムへの移行を行った。clpP遺伝子をrbcSの葉緑体移行シグナルの下流に繋ぎ、35SとrbcSプロモーターのコントロール下でタバコの核ゲノムに導入した。形質転換にはclpPの部分破壊株の他、clpPの大量発現の影響を調べる目的で野生株を用いた。形質転換にはcplPクチノマイシンを含む培地上での維持が必要なため、カナマイシンとの二重選抜が必要となる。そこでこの影響を調べる目的で、スペクチノマイシン耐性遺伝子のみをもつコントロール株への導入もあわせて行った。ウエスタン解析により、野生株とコントロール株でClpPを大量発現する個体が多数得られたことを確認した。大量発現株に共通する形態異常は現在のところ観察されていない。今後、葉緑体レベルでの解析を行う予定である。一方clpP破壊株では、形質転換効率が極めて低かったものの、形質転換体を得ることに成功した。植物の生育を持って、葉緑体ゲノム解析、表現型の回復の有無を調べる。
|