1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11152236
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
後藤 聡 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助手 (60280575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 茂生 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 教授 (60183092)
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Keywords | 発生 / パターン形成 / ショウジョウバエ / 遺伝学 / 肢形成 |
Research Abstract |
生物の形態は種によって多様であるが、共通性も多く見いだされる。このことは、形態形成のメカニズムには先祖型があり、それに修正を加えつつ多様な形態が生み出された可能性を示唆している。そこで、我々はショウジョウバエの脚をモデル系に用いて、形作りの基本メカニズムを明らかにし、形の多様性を生み出す機構を解析するための基本的情報を得たいと考えている。ショウジョウバエの脚は、胚期に誘導された原基が幼虫期に増殖・パターン形成を行い、蛹期に形態形成運動をすることによって形成される。我々は、胚期に翅・脚原基が誘導されるメカニズムについて、さらに幼虫期における近遠軸パターンの形成機構について解析し、新たなモデルを提出するに至った。しかし、脚形成機構の全貌を明らかにするにはほど遠い。というのも、脚の形成に関わる遺伝子のかなりのものが未知だからである。そこで、我々は脚形成に関わる遺伝子を網羅的に検索するために、Ga14を用いたエンハンサートラップ系統を作成・スクリーニングし、胚期と幼虫期に脚原基で発現している系統、および成虫の脚の形態に異常を示す系統を同定した。さらに、上述のスクリーニングで同定された系統のすべてについて、挿入箇所の同定を進めている。ショウジョウバエでは、全染色体の塩基配列を決定するゲノムプロジェクトが修了しており、その情報は本年度末あたりに公開される予定である。その情報をもとに、各系統で同定された発現パターンを示す遺伝子の候補を得る予定である。その結果、脚原基において、どのような遺伝子が、どのような発現パターンを示しているかを網羅的にリストアップすることができ、脚の形成機構メカニズムの解明に大きな進歩をもたらすことができるのではないかと考えている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Goto, S., Hayashi, S.: "Proximal to distal cell communication in the Drosophila leg provides a basis for an intercalary mechanism of limb patterning"Development. 126. 3407-3413 (1999)
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[Publications] Adachi-Yamada, T. et al: "p38 mitogen-activated protein kinase can be involved in transforming growth factor-βsuperfamily signal transduction in Drosophila wing morphogenesis"Mol. Cell. Biol.. 19. 2322-2329 (1999)
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[Publications] Goto, S., Hayashi, S.: "Specification of the embryonic limb primordium by graded activity of Decapentaplegic"Development. 124. 125-132 (1997)
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[Publications] Goto, S., Hayashi, S.: "Cell migration within the embryonic limb primordium of Drosophila revealed by a novel fluorescence method to visualized mRNA and protein"Dev. Genes Evol.. 207. 194-198 (1997)