1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11153203
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
青江 知彦 千葉大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90311612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古関 明彦 千葉大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40225446)
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Keywords | 小胞体 / 蛋白質品質管理機構 / 分子シャペロン / KDEL レセプター / COPI 小胞 |
Research Abstract |
蛋白質はリボソームで合成された後に、高次構造の形成、複合体形成などを経て、機能的に成熟し、適切な細胞内の場所に輸送されて、機能を発現する。異常蛋白は分解除去され、その蓄積による細胞障害が防止される。こうした過程は蛋白質品質管理機構と呼ばれる。分泌蛋白、膜蛋白の蛋白質品質管理機構は、小胞体において、分子シャペロンと言われる、一群の蛋白が担当する。 可溶性小胞体分子シャペロンのカルボキシ末端にはKDELアミノ酸配列があり、小胞体から分泌されてもゴルジ体でKDELレセプターによってこのアミノ酸配列が認識され小胞体に逆輸送される。この小胞体への逆輸送はCOPIと呼ばれる小胞輸送によって担われている。COPI小胞輸送はARF1と言うGTP結合蛋白によって制御されているが、我々は、KDELレセプターがARF1の活性を調節するARF1GAPを介して、COPI小胞輸送を制御していることを明らかにした。また、可溶性小胞体分子シャペロンがリガンドとしてKDELレセプターを活性化する事によってこの制御が行なわれていた。異常蛋白は小胞体の蛋白質品質管理機構を一旦逃れても、小胞体分子シャペロンと会合した状態で分泌され、KDELレセプターによって、小胞体分子シャペロンと共にゴルジ体から小胞体に逆輸送され、分解された。また、KDELレセプターの機能が傷害されると、蛋白質品質管理機構を逃れて、ゴルジ体からさらに細胞表面へと分泌された。 従って、KDELレセプターを介してCOPI小胞輸送は小胞体の蛋白質品質管理機構を補完していると考えられた。また、蛋白質品質管理機構の本体である小胞体分子シャペロンはKDELreceptorを介して、COPI小胞輸送を制御しており、COPI小胞輸送と小胞体の蛋白質品質管理機構の強い結びつきが示唆された。
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