1999 Fiscal Year Annual Research Report
神経特異的に発現する新規SRタンパク質、NSSR1および2の機能と生理的役割
Project/Area Number |
11155225
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
塚原 俊文 国立精神・神経センター, 神経研究所・第1部, 研究員 (60207339)
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Keywords | RNAスプライシング / スプライシング因子 / SRタンパク質 / NSSR1 / NSSR2 / 視神経 / ゲノム遺伝子 / c-myb |
Research Abstract |
神経特異的スプライシング機構の解明を目的として、神経に高い発現がみられる新規SRタンパク質NSSR1および2遺伝子を単離した。NSSR1と2は共に核内にスペックル状に存在し、またin vitroおよびin vivoでスプライシング活性を有することから新規のスプライシング因子であると推定された。これら遺伝子は脳と睾丸に多く発現しているが他の臓器にはほとんど発現がみられず、また神経やグリアへの分化が可能なP19細胞の系で調べたところNSSR2には恒常的な発現が見られたがNSSR1は神経細胞でのみで発現していた。さらに詳細な発現部位を調べるため、in situ発現解析を行って確かめたところNSSR1、2のいずれも神経系、特に視神経に多く発現していることが示された。この結果はNSSR1および2の生理的機能が視神経でのスプライジングの制御機構に関与していることを示唆している。 次にNSSR遺伝子の発現調節機構解明のため、ゲノム遺伝子の構造の解析を行った。その相同性等の知見より、NSSR1と2は同一ゲノム遺伝子由来であると推定されたが、FISH解析の結果、本遺伝子はマウス染色体の4qD3のみにシグナルが見られ、単一の遺伝子であることが強く示唆された。また、NSSR1遺伝子ORFのすべてが一つのexonより成ることが明らかとなった。最近、本遺伝子のカウンターパートと考えられる遺伝子がArabidopsisからも発見されており、本遺伝子は進化上でよく保存されていると考えられた。塩基配列を解析した結果、本遺伝子上流にはc-myb結合部位が7つ存在していた。CAT遺伝子の上流にNSSRゲノム断片を挿入して反応を確かめたところ、c-mybのtransfectionによってCAT活性の上昇が見られ、NSSR遺伝子の発現調節にc-mybが関与していることが示された。
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[Publications] Masaki Komastu: "Cloning and characterization of two neural-salient serine/arginine-rich (NSSR)proteins involved in the regulation of alternative splicing in neurons"Genes to Cells. 4. 593-606 (1999)
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[Publications] Ayako Shinozaki: "Changes in expressions of splicing factors during the neuronal differentiation of P19 embryonal carcinoma cells"Int. J. Biochem. Cell Biol.. 31. 1279-1287 (1999)
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[Publications] Hirotaka Koizumi: "Apoptosis in favourable neuroblastomas is not dependent on Fas (CD95/APO-1) expression but on activated caspase 3 (CPP32)"J. Pathol.. 189. 410-415 (1999)