1999 Fiscal Year Annual Research Report
マイコプラズマ滑走運動を担うモータータンパク質のクローニング
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11156220
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
宮田 真人 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (50209912)
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Keywords | マイコプラズマ / バクテリア / 滑走運動 / Mycoplasma mobile / Mycoplasma pneumoniae / 細胞局在 / 接着タンパク質 / 蛍光抗体法 |
Research Abstract |
原核生物のMycoplasma mobileは、一秒間に平均2.5-4.0μm、すなわち、細胞長の3-5倍の速度でガラスの上を滑走する。この滑走運動はベン毛運動とは全く異なる機構によると考えられる。バクテリアの滑走運動は約100年前から報告されているが、まだその機構は明らかになっていない。本研究では、Mycoplasma-mobileの滑走運動について、以下を明らかにした。 1.運動を詳細に解析し、運動には速度むらがないこと、頭部のみが駆動力を出していることを示した。 2.以前にわれわれが単離した滑走変異株の一つにおいて、200KDaのタンパク質が欠失していることを見出し、そのタンパク質の構造を決定した。アスパラギンを多く含む酸性タンパク質で、一カ所の膜貫通領域を持っていた。またこの変異株は野生株とは異なり、生長段階に応じた細胞形態の変化を起こさなかった。 3.滑走を阻害する抗体を作製し、その標的タンパク質の構造と細胞内における局在を明らかにした。標的タンパク質は62KD_aと33KD_aの二つからなり、62KD_aのものは、二カ所の膜貫通領域をもつ疎水性タンパク質で、一つの繰り返し配列を持っていた。どちらのタンパク質も細胞内では後部末端に局在していた。 4.Mycoplasma pneumoniaeは滑走速度は遅いが、ガラスへの接着に必須なタンパク質が7つ知られている。本研究ではマイコプラズマのための蛍光抗体法を開発し、それらのタンパク質の細胞内局在を明らかにした。7つのタンパク質はどれも主に頭部に局在していた。さらにそれぞれのタンパク質の頭部への局在化の順序を明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Seto S. and Miyta M.: "Partitiomig, Movement and Positioning of Nucleoids in Myoplasma Capricolum"Journal of Bacteriology. 181. 6073-6080 (1999)
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[Publications] Miyata M. and Seto s.: "Cell reproduction cycle of mycoplasma"Biochimie. 81. 873-878 (1999)
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[Publications] Miyata M. Yamamoto H., Shimizu t, Uenonama A., Citti C., Rosengarten R.: "Gliding Mutauts of Mycoplasma mobile"Microbiology. (in press). (2000)