1999 Fiscal Year Annual Research Report
転写不活性因子-クロマチンの相互作用ネットワークの構造基盤
Project/Area Number |
11160218
|
Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
神藤 平三郎 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (80138966)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 光弘 明星大学, 理工学部, 助教授 (80231364)
|
Keywords | 転写抑制機構 / クロマチン / Rme1p / Ume6p / Zm-finger / DNA結合タンパク質 / 構造 |
Research Abstract |
(1)Rme1pの機能構造解析 : 3つのZn-finger motifをもつRme1pは、DNAとの結合に16残基からなるC末端領域(CRT)が必須であることは既に示したが、点変異体を用いた実験によりアミノ酸レベルでも、このことを実証することができた。さらに、これらの変異体がin vivoにおいて転写抑制機能を失うことを示した。このDNA結合ドメインは難溶性であるため、その改善に努め、種々の欠失変異体を作製しそれらの溶解性を確かめている。比較的溶解性のある300a.a.からなる全長のRme1pの結晶化も試みているが、成功には至っていない。 (2)Rme1pとUme6pによる転写抑制機構 : Rme1pとUme6pは、それぞれ酵母の減数分裂を開始する遺伝子IME1およびIME2のrepressorである。前者の転写抑制機構についてはすでに明らかにした。後者の転写抑制について、Rme1p抑制系の解析に用いた方法を用いて、人工的に作成したHOP1とlacZ融合遺伝子の発現に対するUmelp-Rpd3p/Sin4p系による転写抑制を調べた結果、Ume6pによるIME2の発現の抑制はRpd3pによる脱アセチル化の機構のみからは解釈できず、新たに活性化因子の結合阻害による機構も考慮する必要がある、という結果を得た。 (3)大腸菌由来のYhh蛋自質の構造構造解析 : 原核細胞に普遍的に存在すgeneral repressor H-NSのDNA結合ドメインの構造およびDNAとの相互作用については既に報告した。Yhh蛋白質はH-NSの欠失変異体株において誘導発現される小蛋白質(88 a.a.)として発見されたが、その詳細な機能についてはまだ明らかではない。この蛋白質のNMRによる構造解析はすでに終了した。この蛋白質の構造は、主鎖の重原子に対してr.m.s.d. 0.16Aの高い精度で決定し、4本のβ鎖と2本のα-helixからなるα/β sandwich構造をとることが分かった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] H. Shindo ら: "Identification of the DNA binding surface of H-NS protein from Escherichia coli by heteronuclear NMR spectroscopy"FEBS Letts.. 445. 63-69 (1999)
-
[Publications] M. Shimizu ら: "A role of the C-terminal region adjacent to the zinc-fingers in tne DNA binding ability of Rmelp, a regulorof meiosis in S. cerevisiae"Necl. Acids Symp. Ser.. 42. 2019-2020 (1999)
-
[Publications] H. Torigoe ら: "Triplex formation of chemically modified oligonucleotides : Thermodynamic and kinetic studies"Biochemistry. 38. 14653-14659 (1999)
-
[Publications] R. Nagane ら: "How Amino Acids Control the Binding of Cu(II) Ions to DNA(III)"J. Inorgan. Biochem.. (in press). (2000)