1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11163208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川口 正代司 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (30260508)
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Keywords | ミヤコグサ / 根粒 / 小葉枕 / 発生プログラム / Histogenesis |
Research Abstract |
有効根粒に至るまでの発生プログラムの変異体解析 ミヤコグサの有効根粒にまで至る発生過程の変異体は大きくNod^-,Hist^-,Fix^-に分離された.Hist^-とは今回ミヤコグサの変異体の表現型を詳細に観察した結果新たに導入したカテゴリーであり,Nodule histogenesisに由来する.根粒内のバクテリアの局在が異常なalbl(sym74-1)変異体は詳細な内部形態の解析から根粒維管束の分化が強く阻害されていることがわかった.さらに維管束にそって強く発現するENOD40あるいは根粒柔組織に特異的に発現するENOD2の発現を解析した結果,かなり発現が抑制されていることがわかった.さらに今回alb1のstrong alleleが見いだされ,それは根粒原基が形成されたあとの組織(根粒柔組織)・組織系(根粒維管束,感染組織系)の分化がほとんど観察されなかった. sym77の原因遺伝子と推定されるhy5様遺伝子をミヤコグサのゲノムとcDNAよりクローニングした.hy5と非常に相同性の高いbZIPドメインはC末側であり,N末側にはzinc finger様モチーフと酸性領域が見いだされた.変異体のゲノムを野生型と比較してみたところ,zinc fingerと酸性領域の間に介在する第2イントロンのスプライシングサイトに塩基置換が見いだされた. sleeplessの変異形質の解析からモデルの提唱 sleeplessは小葉枕が小葉柄に転換し「先祖返り」を起こしたと思われる変異体である.小葉の動きにあずかる部位を詳細に調べたところ、小葉枕は小葉脚における表皮細胞の縦軸方向の伸長を著しく阻害することによって形成されており,「あそび」のないぎっしりつまった細胞群よりなっていた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 川口正代司: "Saturation mutagenesisによるミヤコグサ根粒発生プログラムの細分化"東北大学生態遺伝研究センター IGEシリーズ. 26. 17-34 (1999)
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[Publications] 川口正代司: "根粒器官形成に伴う組織・組織系の分化"秀潤社、植物細胞工学シリーズ. 12. 223-234 (1999)
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[Publications] 小岩弘之: "ミヤコグサから先端的遺伝子科学研究へ"新潟県植物保護. 26. 17-20 (1999)