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2000 Fiscal Year Annual Research Report

古典学の再構築・調整班研究B03「近現代社会と古典」

Research Project

Project/Area Number 11164101
Research InstitutionKyoto National Museum

Principal Investigator

中川 久定  京都国立博物館, 館長 (20023559)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 羽田 正  東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (40183090)
中川 純男  慶應義塾大学, 文学部, 教授 (60116168)
月村 辰雄  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50143342)
松浦 純  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70107522)
Keywordsアリストテレス哲学 / スコラ学 / 「3単一」の規則 / 真実らしさ / 現実感 / 演劇的関心
Research Abstract

「近現代社会と古典」調整班研究は、古代に成立した古典がどのような形で近現代社会に伝承され、また受け入れられたのか、その受容の問題の考察を第1期の研究課題とした。特に、調整班のメンバーの多くに関係するところの大きいアリストテレスの著作を取り上げ、中世から近現代に至る諸期間に古典がどのようにその役割を変化させたかという問題を、古典を受容した教育などの制度や、また古典と深い関わりのある諸思想との関連において考察した。その結論は、以下のようにまとめられる。
1.ヨーロッパ中世の大学におけるスコラ学は、アリストテレス哲学に依拠していた。
2.ルネサンス期から始まったスコラ学(特にアリストテレス学説)に対する批判は、それ以後18世紀まで続く。
3.18世紀に、アリストテレスの自然学と哲学の失墜は決定的なものになった。
4.他方、文学の領域では、アリストテレスの『詩学』に由来し、ボワローの『詩法』によってあまねくフランスとヨーロッパに広められていた「3単一」の規則が、17世紀以来演劇界を支配していた。しかし、演劇的関心の中心が、貴族社会に設定された架空の演劇的状況の「真実らしさ」から、市民社会の日常的生活における「現実感」へと移行し始めるに及んで、この分野でもまた、アリストテレスの権威の時代は、容全に終わってしまう。
以上見てきたことは、18世紀まではアリストテレス哲学が生きた思想であったことを、逆説的に証明しているであろう。次の19世紀に入ると、アリストテレスを、その歴史的脈絡の中で研究する道が新たに開け始め、今日に至っている。

  • Research Products

    (5 results)

All Other

All Publications (5 results)

  • [Publications] NAKAGAWA,Hisayasu: "La Chine et le Japan on la monale sociale dans l'Histoise des deux Indes"Stdudies on Voltaise and the 18th Century. 2000:12. 197-204 (2000)

  • [Publications] NAKAGAWA,Hisayasu: "Le legislateur chez Rousseau et Diderot"Jean-Jacques Rousseau, Politique et Nation. 109-115 (2001)

  • [Publications] 松浦純: "西洋中近世-死の中の生"関根清三 編『死生観と生命倫理』. 49-64 (1999)

  • [Publications] 月村辰雄: "古典擁護のディスクール"学術月報. 2000:11. 9-12 (2000)

  • [Publications] 中川純男: "イデアと存在-『パイドン』の想起説"古代哲学研究. 31. 4-14 (1999)

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Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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