2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11164208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 知久 東京大学, 大学院・人文社会研究科, 教授 (50036555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
御牧 克己 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20109060)
高橋 孝信 東京大学, 大学院・人文社会研究科, 教授 (10236292)
五味 文彦 東京大学, 大学院・人文社会研究科, 教授 (60011326)
真下 裕之 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (70303899)
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Keywords | 原典 / 口承 / 写本 / 郭店楚墓竹簡 / 明月記 / タミル古典 / バーブル・ナーマ / チベット大蔵経 |
Research Abstract |
1.各文明における原典の状況を文明横断的に解明、過去半世紀間の各文明における古典学の総括及び古典学全体に対する大局的総括、古典形成の一般理論を確立などのために、今年度は計4回の研究会議を開催した(7月・11月・11月・12月、東京3回・京都1回)。毎回1名〜4名(計10名)の研究者が各文明における原典について報告し、それに基づき出席者全員で討論を行った。出席者は延べ計約120名。 2.会議で報告された文明の内訳は、日本1名、中国3名、インド2名、チベット1名、中央アジア2名、イスラム1名。内、中国の2名は、北京師範大学周桂鈿教授と山東大学鄭傑文教授を招聘、現代最先端の中国古典学の現状と課題を報告してもらった。それ以外の、日本・中国・インド・チベット・中央アジア・イスラムの報告もみな、過去半世紀間の世界と日本の各文明における、原典の存在・保存の状況、原典研究の現状と歴史的総括、新しい方法論の提唱と検討、日本の研究者の役割などに関して、大きな問題提起を行った。また、古典学全体に対しても大局的な総括を行って21世紀の新たな古典学の方向を見出すべく努力したが、この方面では我々のやり残した課題はまだ多いと言わなければならない。 3.昨年度に引き続いて今年度も、古典形成の一般理論の確立に向けて模索するという目的のために、諸文明の相異を超えた共通点として、原典の形成に対する口承・伝承・説話・神話と筆写・写本の持つ意義、原典の有する規範性の内容・性質や強弱などについての報告・討論を重点的に行った。 4.原典の内外における写本・版本の調査を進め、電子機器を用いてそれらをデータ・ベース化するために、新たにパソコン1台を購入した。また今年度は本研究プロジェクトの最終年度に当たるので、原典班論文集を出版したが、その入力・出力や編集作業のために学生・嘱託アルバイトを多数使った。
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Research Products
(32 results)
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[Publications] 池田知久: "論文篇「郭店楚簡『〓自命出』における「道の四術」」"池田知久編『郭店楚簡儒教研究』(汲古書院). 535-570 (2003)
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[Publications] 池田知久: "「『老子』の二重の「孝」と郭店楚簡『語叢』の「孝」」(韓國文)"『儒教文化研究』(成均館大學校儒教文化研究所). 第4輯. 111-151 (2002)
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[Publications] 池田知久: "論文篇「郭店楚簡『五行』の研究」"池田知久編『郭店楚簡儒教研究』(汲古書院). 451-480 (2003)
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[Publications] 池田知久: "論文篇「郭店楚簡『窮達以時』の研究」"池田知久編『郭店楚簡儒教研究』(汲古書院). 359-430 (2003)
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[Publications] 池田知久: "譯注篇「『五行』譯注」"池田知久編『郭店楚簡儒教研究』(汲古書院). 131-184 (2003)
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[Publications] 池田知久, 他5名: "譯注篇「『忠信之道』譯注」"池田知久編『郭店楚簡儒教研究』(汲古書院). 233-262 (2003)
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[Publications] 明月記研究会: "『明月記』を読む(寛喜二年八月)"明月記研究. 7号. 1-45 (2002)
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[Publications] 尾上陽介: "『明月記』原本及び原本断簡一覧"明月記研究. 7号. 46-64 (2002)
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[Publications] 田渕句美子, 兼築信行: "順徳院詠『御製歌少々』を読む"明月記研究. 7号. 66-69 (2002)
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[Publications] 今村みゑ子: "順徳天皇と音楽"明月記研究. 7号. 98-126 (2002)
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[Publications] 五味文彦: "『明月記』と説話集の世界"明月記研究. 7号. 127-154 (2002)
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[Publications] 小川剛生: "北山准后九十賀とその記録"明月記研究. 7号. 155-189 (2002)
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[Publications] 高橋孝信: "誤った王権行使によるパーンディヤ王の死"『木村清孝博士還暦記念論集』(春秋社). 641-656 (2002)
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[Publications] Takanobu Takahashi: "Before Grammar : Issues on Reading Some Classical Tamil Texts"17th European Conference on Modern South Asian Studies. 54-98 (2003)
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[Publications] 堀池信夫: "「妙本」の位置--唐玄宗『老子注』の一特質--"中国文化. 第70号. 25-33 (2002)
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[Publications] 堀池信夫: "道家思想と「道」"しにか. 13巻12号. 18-42 (2002)
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[Publications] 室寺義仁: "『十地経』における「大悲」(mahqkaruzq)について"日本仏教学会年報. 第67号. 13-26 (2002)
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[Publications] 室寺義仁: "仏教的「一切」(sarva)と識別(vij qna)-世親の有部批判-"東方学. 第105輯. 124-164 (2003)
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[Publications] 松田和信: "舎利弗阿毘曇論に関連する三つの梵文断片"櫻部博士喜寿記念論集:初期仏教からアビダルマへ. 378-400 (2002)
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[Publications] Yutaka Yoshida: "Manichaean Sogdian letters discovered in Bazaklik"Annuaire resume des conferences et travaux Tome. 109. 257-260 (2002)
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[Publications] 吉田豊: "ソグド"『新イスラム事典』(平凡社). 315-315 (2002)
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[Publications] 吉田豊: "ソグド人-典籍を補う最新の資料から"しにか. 2002-9. 44-49 (2002)
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[Publications] 吉田豊, 他3名: "東洋文庫蔵Petersburugウイグル文字等写本マイクロ仮目録"1-265 (2002)
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[Publications] 影山悦子: "ソグディアナにおける絹織物の使用と生産"オリエント. 45-1. 37-35 (2002)
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[Publications] 影山悦子: "中国北部に移住したソグド人の石製葬具浮彫"シルクロード学研究叢書. 7. 33-96 (2003)
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[Publications] 高橋典幸: "荘園制と武家政権"歴史評論. 622. 142-185 (2002)
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[Publications] 今村みゑ子: "長明と定家"東京工芸大学女子大学部紀要. 平成14. 66-98 (2002)
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[Publications] 池田知久(編): "郭店楚簡儒教研究"汲古書院. 630 (2003)
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[Publications] 明月記研究会: "『明月記研究』7号"続群書類従刊行会. 350 (2002)
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[Publications] 池田知久(監修): "『郭店楚簡の思想史的研究』第6卷"東京大學文學部中國思想文化學研究室. 230 (2003)
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[Publications] 池田知久(監修): "『郭店楚簡の研究』(四)"大東文化大學大學院事務室. 230 (2002)
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[Publications] Kazunobu Matsuda, 他3名: "Buddhist Manuscript, Vol.II"Hermes Publication (Oslo). 370 (2002)