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2000 Fiscal Year Annual Research Report

イスラームにおける伝承知と理性知

Research Project

Project/Area Number 11164214
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

濱田 正美  神戸大学, 文学部, 教授 (30109061)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 野元 晋  慶應義塾大学, 言語文化研究所, 講師 (10276420)
Keywordsイスラーム / シーア派 / オスマン朝
Research Abstract

キリスト教世界におけると同様に、イスラーム世界にあっても真理は預言者から伝承された啓示と、人間が本来的に神から授けられた理性の二つによってのみ認識可能であるとされる。一般的な見解では、ガザーリー以降、啓示の理性に対する優越が確立し、それ故にイスラーム世界は西洋的近代とは異質の歴史をもったとされているが、オスマン帝国の政治思想やシーア派の神秘哲学を検討すると、事柄はそれほど単純では無いことが明らかになる。シーア派神秘哲学は、啓示は如何にして下るかという問題を理性によって説明、納得するための営為であり、オスマン朝の政治思想は、社会秩序の維持、換言すると国家理性のためには、啓示によらざる統治手段にもまた正統性を付与するための思想営為である。このような政治哲学の成立の背景には、一方には古代ギリシャから受け継がれた倫理学があり、一方に啓示とは無縁のモンゴルがイスラーム世界のほぼ全域を統治したという事実に対する深刻な認識があったと考えられる。以上知見は従来必ずしも明確にはされていなかった事柄である。具体的な研究実績としては、コンピューターを用いてテキストの対照研究を可能にするため、濱田はオスマン朝の歴史家トゥルスン・ベグとムスタファ・アーリーの著作及び中央アジアの聖者伝を、野元はアブー・ハーディム・アッ・ラーズィーの代表的著作の本文を確定し、そのデジタル化の作業を継続した。また、濱田はコレージュ・ド・フランスでの連続講義に招かれた機会を利用して、パリ国民図書館の写本を、野元はロンドンのイスマーイール派研究所の写本をそれぞれ調査し、マイクロ写真を収集した。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] 濱田正美: "イスラームにおける伝承知と理性知"「古典学の再構築」第I期研究成果報告. 170-178 (2001)

  • [Publications] 濱田正美(共著): "新版世界各国史4中央ユーラシア史"山川出版社. 456+95 (2000)

URL: 

Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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