2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11164214
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
濱田 正美 神戸大学, 文学部, 教授 (30109061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野元 晋 慶応義塾大学, 言語文化研究所, 専任講師 (10276420)
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Keywords | コーラン / ハディース / シーア派思想 / 霊魂 / 新プラトン主義 |
Research Abstract |
濱田は、伝承知に関する研究の一環として、中央アジアのチャガタイ語聖者伝に引用されるコーランとハディースを収集した結果、チャガタイ語訳のタフスィールの存在を推定するに至った。またこれらの引用がいかなるコンテクストに現れるかをいちいち検討することにより、聖者伝におけるコーランとハディースの理解のされ方を解明することが可能になることを明らかにした。この研究と関連のある3篇の仏文の論文をTurcica, Jounal of the History of Sufis, Annales各誌に編集部の求めに応じて投稿し、掲載の決定を得た。さらに、漢文のスーフィー文献である『帰真総義』についても、コーランとハディースの翻訳の原文同定の作業を継続している。 野元は、本年度は10世紀のイスマーイール・シーア派の思想家アブー・ハーティム・アッ=ラーズィーをとりあげ、野元のPh.D.論文(McGill University, Montreal,1999を発展させる形で、1.イスマーイール派への新プラトン主義哲学の影響、2.10世紀のイスマーイール派運動の状況、3.その『訂正の書』本文テクストの正確な読みの確立、の三点から研究を進めた。以上の1については新プラトン主義協会大会(9月24日於神戸市外国語大学)おける研究発表で、ラーズィーはイスマーイール派の救済史観と新プラトン主義的宇宙論を結合させたという仮説を提示した。2と3については、以下の二つの業績において、当時のイスマーイール派の政治活動における多様性を指摘し、また『訂正の書』校訂版(Tehran,1998)とTubingen写本、Hamdani写本を比較した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 野元晋: "ファーティマ朝初期初期のイスマーイール派運動における思想家ラーズィーの位置"オリエント. 44-2(印刷中). (2001)
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[Publications] 野元晋: "初期イスマーイール派思想史におけるアブー・ハーティム・アッ・ラーズィーの『訂正の書』Kitab al-Islah (4)-写本と校訂本についての覚え書き-"慶應義塾大学言語文化研究所紀要. 33(印刷中). (2001)
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[Publications] 池田紘一, 真方忠道(編): "ファンタジーの世界"九州大学出版会. 323 (2002)