2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11164217
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
羽田 正 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (40183090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 あや乃 東京外国語大学, 外国語学部, 助手 (60272613)
桝屋 友子 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (40300735)
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Keywords | シャーナーメ / 国民意識 / ナショナリズム / イラン / ペルシア文学 / フィルダウスィー |
Research Abstract |
本計画研究は、本年度から新しい研究体制をとり、実質的には新たに研究分担者として加わった佐々木が中心となって研究活動を進めた。 研究代表者の羽田は、「シャーナーメ」テキストの読解を進め、引き続きイラン人の民族意識の形成に「シャーナーメ」が及ぼした影響を考察するとともに、「岩波イスラーム辞典」(2002年2月刊行)の編者の一人として、関連する項目の監修・執筆にあたった。 研究分担者の佐々木はイランに赴き、現地「シャーナーメ」研究者との共同研究の可能性について打ち合わせるとともに、多くの博物館、図書館を訪問し、「シャーナーメ」に関連する伝統的道具・武具・動植物などについての知見を深めた。また、「岩波イスラーム辞典」の関連項目執筆によつて、その研究成果の一部を発表した。 研究分担者の桝屋は、引き続き美術史の観点から「シャーナーメ」研究を行い、美術作品、とりわけ陶器に書き込まれた「シャーナーメ」の詩句のデータベース化を進めた。また「岩波イスラーム辞典」の関連項目を執筆した。 研究協力者の山本は、昨年度までの海外調査結果と将来したマイクロフィルムを用いて、17-18世紀に「シャーナーメ」のテキストが確定して行く過程を明らかにし、その成果を英文論文にまとめる予定である。また、ケンブリッジ大学の「シャーナーメ・プロジェクト」とも連絡を怠らず、同プロジェクトによる「シャーナーメ」の写本'絵画収集を支援している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 羽田 正: "「バンダレ・アッバースとペルシア湾海域世界」"『歴史学研究』. 757. 1-11 (2001)
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[Publications] 羽田 正(共著): "東京大学東洋文化研究所編『アジアを知れば世界が見える』"小学館. 360 (2001)
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[Publications] 羽田 正(共編): "岩波イスラーム事典"岩波書店. 1247 (2002)
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[Publications] 桝屋 友子(共著): "東京大学東洋文化研究所編『アジアを知れば世界が見える』"小学館. 360 (2001)
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[Publications] 桝屋 友子(共著): "古代オリエント美術館展覧会図録『人間国宝加藤卓雄・シルクロード歴程』"山川出版社(刊行予定). (2002)