2000 Fiscal Year Annual Research Report
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11164232
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
間野 英二 京都大学, 文学研究科, 教授 (10027964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真下 裕之 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (70303899)
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Keywords | チャガタイ・トルコ語 / ペルシア語 / ティムール朝 / ムガル朝 / バーブル / サングラーフ / ターリーヒ・ラシーディー / 写本 |
Research Abstract |
本年度は、間野が主としてチャガタイ・トルコ語写本について、昨年度に将来したマイクロフィルムの整理・調査を継続し、その成果の一部を[論3]にて公表した。また、後述の通り英国に出張した真下を通じて将来された写本の写真を、研究代表者の論考集[図2]において活用した。また昨年度に将来された、チャガタイ・トルコ語訳『ターリーヒ・ラシーディー』および『サングラーフ』の諸写本の複写の調査を継続した。これらについては、新たに導入した電算機を用いて、テキストの一部を入力し、研究に利用している。さらに[論1]ではティムール朝の首都ヘラートを中心に都市文化の発展を記述し、本研究の対象であるティムール朝・ムガル朝時代の文化活動の背景を確かめる作業を行なった。また[論2]では、より広い立場から、日本における内陸アジア史研究の研究史を展望し、現在の研究情況に見られる問題点と今後の課題を指摘した。 真下は、11月〜12月に英国に赴き、大英図書館、大英博物館、ロンドン大学アジア・アフリカ研究学院、ケンブリッジ大学図書館において、主としてペルシア語文献を調査し、ムガル朝関係のペルシア語写本四種のマイクロフィルムを入手し、現在その内容を検討中である。さらに上記機関所蔵の歴史書『タバカーテ・アクバリー』の諸写本を通覧し、その成果を同書の伝える年代の機械的錯誤に関する[論5]に活用した。これにより、原テキスト復元の第一段階としての異読統合について、一定の見通しを得ることができた。また[論4]では「インドのテイムール朝」というべき王朝が、なぜ「ムガル朝」と呼ばれるに至ったかを、様々な側面から検討し、一つの推論を提示した。 【以上、700字。文中[論1][図2]などは、次頁項目11に対応。「論」は雑誌論文、「図」は図書、数字はそれぞれの登場順。】
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 間野英二: "ティムール帝国とヘラートの発展"アジアの歴史と文化 9 西アジア史. 120-133 (2000)
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[Publications] 間野英二: "内陸アジア史研究の回顧と今後の課題"東方学. 100. 137-145 (2000)
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[Publications] 間野英二: "『バーブル・ナーマ』校訂本作成に当たっての選択の問題"学術月報. 53・11. 32-35 (2000)
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[Publications] 真下裕之: "16世紀前半北インドのMugulについて"東方学報. 京都72. 738-720 (2000)
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[Publications] MASHITA Hiroyuki: "The discrepancy of chronology of Tabaqat-i Akbari. An introduction to a survey of manuscripts"Zinbun : Annals of the Institute for Research in Humanities, Kyoto University. 35(発表予定). (2001)
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[Publications] 間野英二(責任編集): "アジアの歴史と文化 9 西アジア史"同朋舎. 295 (2000)
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[Publications] 間野英二: "バーブル・ナーマの研究 IV バーブルとその時代"松香堂. x+539 (2001)